花粉症治療に使われる抗ヒスタミン薬「ビラノア」とは?効果・飲み方・注意点をわかりやすく解説

ビラノアは、ビラスチンという有効成分が配合されている抗ヒスタミン薬で、花粉症の治療によく用いられます。
ビラノアには、抗ヒスタミン薬の中では眠気などの副作用も少なく、車の運転にも影響が少ないというメリットがあります。
この記事では、ビラノアの特徴や効果、副作用などを解説します。花粉症のためビラノアを服用している方や、これから服用する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.ビラノアとはどのような薬か
ビラノアは、ビラスチンという有効成分が配合されている薬です。
アレルギー反応を引き起こす物質の働きを抑える働きがあり、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状を和らげます。
スギ花粉・ヒノキ花粉などの季節性のアレルギー性鼻炎だけでなく、じんましんのようなかゆみのある皮膚疾患の治療やダニやハウスダストが原因の通年性アレルギー性鼻炎にも使用されます。
花粉症やじんましんなどのアレルギー症状は、体内で「ヒスタミン」という物質が放出されることで起こります。ヒスタミンは鼻や目の粘膜を刺激し、くしゃみや鼻水、かゆみを引き起こします。
ビラノアは、このヒスタミンが作用する受容体に結合し、ヒスタミンの働きをブロックすることで症状を抑えます。
そのため、花粉が体に入っても症状が出にくくなります。
ビラノアには、錠剤とOD(Orally Disintegrating)錠があります。OD錠は、「口腔内崩壊錠」とも呼ばれ、口に入れると唾液で速やかに溶けるため、水なしでも服用することができます。
OD錠には、錠剤を飲み込むことが難しい高齢者など、嚥下能力が低下している方でも服用できるメリットがあります。
2.ビラノアの使い方
ビラノアは、通常錠剤20mg、またはOD錠20mgを、1日1回1錠、空腹時に服用します。
食べ物が胃のなかに入っている状態で服用すると、有効成分が吸収されにくくなり、思うような効果が出ない恐れがあります。
具体的には、
・食事の1時間以上前
・食後2時間以上経ってから
のいずれかのタイミングで服用します。
ビラノアは服用後およそ45分ほどで効果が現れ始め、約24時間効果が持続するとされています。
1日1回の服用でよいため、飲み忘れが起こりにくい点も特徴です。
3.ビラノアの副作用
ビラノアは副作用が比較的少ない薬とされていますが、まったく起こらないわけではありません。
ビラノアの主な副作用は以下となります。
・眠気
・口の渇き
・頭痛
抗ヒスタミン薬は、販売された時代により第一世代と第二世代に分類され、ビラノアは第二世代の薬です。
ヒスタミンは、覚醒している状態を維持するために脳内で働く物質なので、抗ヒスタミン薬によってヒスタミンの働きが抑制されると、眠気や集中力の低下が起きます。
しかし、第二世代の抗ヒスタミン薬は、第一世代より脳への移行が少ないため、眠気の副作用が少ないとされています。
ただ、体質や他の薬との飲み合わせによっては眠気や集中力の低下が起こることがありますので、体調の変化に注意しましょう。
さらに、ビラノアは第二世代の薬の中でも眠気の副作用が少ない薬で、服薬後の自動車運転の能力を評価する試験でも影響は認められませんでした。
【参考情報】『アレルギー性鼻炎治療におけるアドヒアランスを考慮した第二世代抗ヒスタミン薬の選択と指導』日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/122/11/122_1405/_pdf
抗ヒスタミン薬の副作用では、口の渇きもよくみられます。ビラノアは、他の抗ヒスタミン薬に比べると口の渇きが少ないとされていますが、口が渇くと感じるなら、こまめに水分を補給してください。
めったにありませんが、重篤な副作用としてアナフィラキシー・ショックがあります。呼吸が苦しくなったり、唇の色が紫色になる症状が現れたら、ビラノアの服用を中止してすぐに医療機関を受診してください。
【参考情報】『Antihistamines』NHS
https://www.nhs.uk/conditions/antihistamines/
4.ビラノア使用上の注意点
ビラノアは、薬の飲み合わせによって効果が強く出たり、弱くなったりすることがあります。
例えば、抗菌薬であるエリスロマイシン、水虫などの治療に使う抗真菌薬のケトコナゾール、降圧剤のジルチアゼムは、ビラノアの血中濃度を上昇させます。
ビラノアの血中濃度が上昇すると、副作用のリスクが高くなる恐れがあります。他の薬を服用している人は、お薬手帳などを活用し、必ず医師または薬剤師に確認してもらってください。
ビラノアをグレープフルーツジュースと一緒に飲むと、有効成分の吸収が妨げられ、薬の効果が出にくくなります。
ビラノアを服用している間は、グレープフルーツジュースを飲むのは避けたほうが良いでしょう。どうしても飲みたいときは、薬を服用してから1時間以上経ってからにしてください。
【参考情報】『水なしでくすりをのんだり、水以外のものでのんだりしても大丈夫ですか』日本製薬工業協会
https://www.jpma.or.jp/about_medicine/guide/med_qa/q26.html
妊娠中・授乳中の方がビラノアの服用を検討している場合は、主治医に相談してください。動物実験では、ビラノアは胎児や母乳へ移ることが報告されています。
高齢者は、肝臓や腎臓の機能が低下している傾向があります。肝機能や腎機能が低下していると、体内の薬の濃度が上昇して副作用のリスクが高くなる恐れがあるので、心配な方は医師または薬剤師に相談してください。
先にも述べましたが、ビラノアは胃の中に食べ物が入っている状態で服用すると、薬の効果が出にくくなります。
そのため、起床時や就寝前など、胃の中に食べ物があまり入っていない時間帯に服用するのがおすすめです。
5.ビラノアの薬価
ビラノアの薬価(2026年1月調べ)は以下の通りです。
・ビラノア錠20mg 48.7円/錠
・ビラノアOD錠20mg 49.1円/錠
ビラノアの有効成分である「ビラスチン」を含む市販薬(ドラッグストアなどで購入できる薬)は、現在のところ存在しません。
そのため、ビラノアは必ず医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
一方で、ビラノアと同じ「第二世代抗ヒスタミン薬」に分類される薬の中には、市販薬として販売されているものもあります。
代表的な例としては、
・アレグラ(フェキソフェナジン)
・アレジオン(エピナスチン)
・クラリチン(ロラタジン)
などがあり、これらは薬局・ドラッグストアで購入可能です。
ただし、同じ第二世代抗ヒスタミン薬であっても、効果の出方や眠気の出やすさ、服用方法には違いがあります。
市販薬で症状が十分に改善しない場合や、強い症状が続く場合には、医療機関で相談することが大切です。
6.よくある質問
花粉症やビラノアに関する疑問をまとめました。
Q1.ビラノアは花粉が飛ぶ前から飲んだほうがいいですか?
A.はい、症状が出る前から飲み始める「初期療法」として使われることがあります。
花粉症は、症状が強く出てから治療を始めるより、花粉が飛び始める少し前や、症状が出始めた段階で治療を始めたほうが、症状を抑えやすいとされています。開始時期については、医師と相談して決めましょう。
Q2.ビラノアは症状が出てから飲んでも効きますか?
A.はい、症状が出てから飲んでも効果は期待できます。
ビラノアは、服用後およそ45分ほどで効果が現れ始めるとされており、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状を和らげます。
ただし、症状が強くなってからでは十分に抑えきれない場合もあるため、早めの治療開始が勧められます。
Q3.ビラノアが効かないと感じたらどうすればいいですか?
A.自己判断でやめず、医師に相談することが大切です。
効果が不十分な場合、
・服用のタイミング(空腹時かどうか)
・症状の種類(鼻づまりが強いなど)
・他の薬との飲み合わせ
が影響していることがあります。
薬の変更や、点鼻薬・点眼薬の併用で改善することもあるため、受診して相談しましょう。
Q4.ビラノアは鼻づまりにも効きますか?
A.鼻づまりには効果が弱いことがあります。
ビラノアは、くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった症状には効果が期待できますが、鼻づまりは抗ヒスタミン薬だけでは十分に改善しないことがあります。
その場合は、ステロイド点鼻薬などを併用することで症状が改善することがあります。
7.おわりに
ビラノアは、他の抗ヒスタミン薬に比べて、眠気の副作用が少ないという利点があります。
特に、仕事で車を運転する必要がある人や、複雑な機械の操作など集中力が必要な仕事に就いている人には、メリットのある薬でしょう。
ビラノアが合わないと感じた場合は、同じ第二世代の抗ヒスタミン薬であるアレグラやデザレックスなどが代わりに服用できます。
症状が改善しない場合や不安があるときは、自己判断せず、医師に相談しながら治療を進めていきましょう。











