抗アレルギー薬「アレサガテープ」の特徴と効果、副作用
2018年に発売されたアレサガテープは、世界初の「貼るタイプのアレルギー性鼻炎治療薬」です。
1日1回貼り替えるだけで、有効成分が皮膚から体内に吸収され、花粉症などの鼻のアレルギー症状を和らげる効果が期待できます。
飲み薬とは異なり、食事の時間に左右されないため、不規則な生活を送る方にも使いやすい薬です。
ただし、眠気や口の渇きといった副作用が現れることがあるため注意が必要です。
1.アレサガテープとはどのような薬か
アレサガテープは、エメダスチンという成分を配合した貼り薬です。成分が皮膚から吸収され、鼻水や鼻づまりなどのアレルギー症状を和らげます。
エメダスチンは第2世代の抗ヒスタミン成分で、アレルギーの原因となるヒスタミンや、その他のアレルギー誘発物質(ケミカルメディエーター)の働きを抑える効果があります。
【参考情報】『ケミカルメディエーター』日本薬学会
https://www.pharm.or.jp/words/word00610.html
これまで、エメダスチンを含む処方薬としては「レミカットカプセル」があり、1日2回の服用が必要でした。一方、アレサガテープは24時間ごとに貼り替えるだけで効果を発揮するため、手軽に使用できるのが特長です。その使いやすさから、患者さんの満足度も高いと報告されています。
【参考情報】『エメダスチンフマル酸塩含有テープ剤の満足度と使用率の検討』井出 拓磨ほか
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jiaio/1/1/1_55/_pdf/-char/ja
2.アレサガテープの使い方
アレサガテープには、「アレサガテープ4mg」と「アレサガテープ8mg」の2種類があります。どちらも基本的には大人のみが使用します。
<基本的な使い方>
アレサガテープを1枚、胸・上腕・背中・腹部のいずれかに貼り、24時間ごとに貼り替えます。
<貼り方>
アレサガテープは1枚ずつ包装されており、使用直前に袋から取り出します。
①フィルムを半分だけはがし、露出した部分を体に貼る。
②貼った部分を軽く押さえながら、残りのフィルムをゆっくりはがして全体を貼る。
③貼り終えたら、手のひらでしっかり押さえて密着させる。
<貼る際の注意点>
・貼る部分の汗や水分をしっかり拭き取る
・傷や湿疹のある箇所には貼らない
・貼った後は手をよく洗う
・粘着面には直接触れない(有効成分が付着しているため)
<貼るタイミング>
特に決められた時間はありませんが、入浴後に汗が引いたタイミングで貼ると、テープがはがれにくくなります。
3.アレサガテープの副作用
アレサガテープを使うと、次のような副作用が起きることがあります。
・貼った部分の赤み・はれ・かゆみ
・眠気や脱力感
・口の渇き
特に、貼った部分に赤みやかゆみが出やすいですが、毎回貼る位置を少しずつずらすことで、症状を軽減できる可能性があります。
また、貼り薬であっても眠気や口の渇きが生じることがあるため、使用中は車の運転や危険な作業を避けるようにしましょう。
アレサガテープの重篤な副作用は、現時点(2025年3月)では確認されていません。
4.使用上の注意点
アレサガテープは大人向けの貼り薬で、基本的に子どもには使用しません。また、妊娠中や授乳中の方も使用を避ける必要があるため、該当する場合は医師に相談しましょう。
<併用時の注意点>
アレサガテープと一緒に使ってはいけない薬はありませんが、以下のような薬やアルコールと併用すると、眠気の副作用が強く出ることがあります。
・睡眠導入剤など、不眠症の治療薬
・精神を落ち着かせる薬
・他のアレルギー治療薬
副作用が心配な場合は、医師や薬剤師に相談してください。
<テープがはがれた場合>
万が一、テープがはがれてしまったら、新しいものを貼り直し、次の貼り替え時間には通常どおり貼り替えましょう。ただし、2枚同時に貼ることは避けてください。
5.アレサガテープの薬価
アレサガテープの1枚あたりの価格(2025年3月調べ)は次のとおりです。
・アレサガテープ4mg 56.7円/枚
・アレサガテープ8mg 76.9円/枚
アレサガテープのジェネリク医薬品はありません。また、アレサガテープ以外のアレルギー用の貼り薬は、処方薬にも市販薬にもありません。
6.おわりに
アレサガテープが合わない場合には、飲み薬や点鼻薬などのアレルギー治療薬に切り替える必要があります。
アレルギー性鼻炎の治療薬にはさまざまな種類があります。症状への効果や副作用の強さを考慮して、自分に合った薬を使っていくことが大切です。