咳が止まらないのは喘息だからなのか?
外出先でコンコンと咳が出て止まらなくなり、こじらせたように咳き込んでしまうと、周囲の目がとても気になります。
特にコロナ禍において、咳やくしゃみに対して、今まで以上に敏感になっている人も多いのではないでしょうか。
咳が止まらない原因というのは数多くありますが、しつこい咳が続いていて、家族や周りから「喘息ではないか」と心配された人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、喘息による咳の特徴を紹介しながら、咳を主症状とする疾患についてもお伝えしていきます。
目次
1.なぜ喘息で咳が出るのか
喘息の症状には、「ゼーゼー・ヒューヒュー」という呼吸音(喘鳴)や、息苦しさ、喉のイガイガ感などさまざまなものがありますが、その中でも代表的なものが「咳」です。
健康な人なら反応しないハウスダストやダニ、冷たい空気などが、喘息の患者さんには刺激となり、咳が止まらなくなることがあります。
【参考情報】『Can the Weather Affect a Person’s Asthma?』Nemours KidsHealth
https://kidshealth.org/en/teens/weather-asthma.html#:~:text=Yes.,can%20trigger%20a%20flare%2Dup.
咳の原因が喘息かどうかは、刺激物の有無(アレルギー物質の有無)や咳が出るタイミング(夜や明け方に出やすいなど)、呼吸機能検査などで判別することができます。
2.止まらない咳の原因は喘息だけじゃない?
咳は喘息だけではなく、風邪やインフルエンザなどの感染症、肺や気管支などの呼吸器系疾患、さらに心臓系の疾患でも出ることがあります。
2−1.健康な人でも咳が出ることがある
健康な人でも、刺激のあるものを飲み込んだり、熱い湯気を吸ったりすると、咳が出ることはよくあります。通常すぐに収まりますが、うっかり食べ物が気管に入ってしまったりすると、咳が止まらなくなることがあります。
咳は、体の中から異物を追い出すための反応なので、細菌やウイルス以外の異物に対しても反応することがあります。このように、病気ではなくても、体の自然な反応として咳が出ることを知っておいてください。
【参考情報】『からせき(たんのないせき)が3週間以上続きます』日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q01.html#:~:text=%E9%80%9A%E5%B8%B8%E3%81%AF3%E6%97%A5%E4%BB%A5%E5%86%85,%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
◆「痰がからみ、咳が止まらない時に考えられる呼吸器の病気」>>
2−2.喘息の咳と他の疾患の咳の見分け方
2−2−1.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の咳
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は長年の喫煙などによって肺の細胞がダメージを受けることで発症する疾患です。
COPDを発症すると、毎日咳が出るようになります。また、痰の混じった咳がでるのがCOPDの特徴で、咳だけではなく息切れ(例:息が切れて階段が上れない)などもよく発現します。
【参考情報】『ぜんそくなどの情報館』環境改善保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/copd/about/04.html
◆「咳がとまらない・しつこい痰・息切れは、COPDの危険信号」>>
2−2−2.肺炎の咳
細菌感染やウイルス感染など、さまざまな原因で肺に炎症が起こった場合には肺炎と診断されます。
肺炎の主な症状は咳ですが、痰や発熱(38度以上の高熱が出ることもある)もみられます。
肺炎の咳の中には多くのウイルスが含まれています。
【参考情報】『肺炎になるとどうなるの』肺炎予防.jp(MSD製薬)
https://www.haien-yobou.jp/what_disease.xhtml
3.おわりに
咳の原因を明確にするには、専門的な検査が欠かせません。特に2週間以上咳が続いているのであれば、ただの風邪ではない可能性がある、ということを知っておいてください。
「止まらない咳」を自覚された際には、早めに呼吸器専門医に相談されることをおすすめします。