喉がムズムズ・イガイガして咳が止まらないのはなぜ?
喉がイガイガ・ムズムズして気になるという方はいませんか?
こうした喉の不快感は、喉の乾燥により一時的に表れることもありますが、加えて咳も出る場合は、アレルギー性の呼吸器疾患が原因かもしれません。
この記事では、「喉の違和感」と「咳」という2つの症状に焦点を当て、考えられる病気やその対処法について解説します。
目次
1.喉がムズムズ・イガイガするのはどんな病気?
喉に違和感が生じる病気にはさまざまなのもがありますが、加えて咳も出るときに考えらるのは、喘息や咳喘息、花粉症などのアレルギー性疾患です。
ダニや花粉などアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)を吸ったり食べたりすることで、喉の粘膜が刺激されて炎症が起き、ムズムズ・イガイガ感が引き起こされるのです。
さらに、アレルゲンの刺激により、喉のムズムズ・イガイガ感のほか、咳が引き起こされることもあります。
ちなみに、アレルゲンが鼻に作用した場合には鼻水やくしゃみの原因となり、目に作用した場合には目のかゆみやかすみの原因となります。
厚生労働省の発表によると、日本人の約2人に1人は何かしらのアレルギーを持っているそうです。アレルギー疾患は私たちにとって馴染み深い病気のひとつと言えるでしょう。
【参考情報】『アレルギー疾患の現状等』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf
2.喉の違和感と咳が生じる病気
この章では、喉の違和感と咳が生じるときに考えられる主なアレルギー性疾患を紹介します。
2-1.喘息
喘息は、空気の通り道である気道が慢性的な炎症を起こして狭くなることで、激しい咳や息苦しさなどが現れる病気です。
喘息の原因には、アレルギーによるものと、過労やストレスなどアレルギー以外のものがあります。アレルギーが原因の場合、ダニやカビ、ペットの毛などに反応して、咳や喉の不快感が生じることがあります。
また、気道の粘膜が炎症により敏感になっているので、冷たい空気やタバコの煙などに刺激され、咳や喉の違和感が引き起こされる場合もあります。
【参考情報】『Asthma』WHO
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/asthma
2-2.咳喘息
喘息に似た病気として「咳喘息」があります。咳喘息も喘息と同じように、アレルギーを引き起こす物質や刺激物によって、喉の不快感や咳が現れることがあります。
咳喘息を治療せずに放っておくと、そのうち3分の1は喘息に移行するとされています。
2-3.花粉症
スギやヒノキ、ブタクサなどアレルギーを引き起こす植物の花粉が、鼻や目、喉の粘膜に触れることによってアレルギーの症状が起こる病気です。
花粉症の人は、アレルギーの原因となる花粉が喉に付着すると、喉のかゆみやムズムズした感じに悩まされたり、咳が引き起こされることがあります。
これらの症状は、原因となる花粉が飛散している時期が終われば出なくなります。
2-4.アトピー咳嗽
アトピー咳嗽(がいそう)とは、気道の粘膜の表面にある咳受容体の感受性が高くなり過ぎることで、咳が出やすくなる病気です。アレルギー体質の人に多く見られます。
この病気になると、会話などのわずかな刺激にも反応して咳が出ます。同時に、喉のイガイガやムズムズ、かゆみなどの違和感も生じます。
2-5.食物アレルギー
食物アレルギーとは、特定の食材を食べるとアレルギー症状が出る病気です。原因となる食材は、卵、牛乳、そば、ナッツ類、魚介類など多岐にわたります。
食物アレルギーを持つ人は、原因となる食材を食べると、喉や皮膚のかゆみ、咳、じんましん、吐き気などの症状が現れることがあります。
【参考情報】『食物アレルギー』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf
3.喉の違和感と咳が生じるアレルギー以外の疾患
喉の違和感を引き起こす病気は、アレルギー性疾患だけではありません。
慢性の咽頭炎や扁桃炎、喉頭炎のように、喉そのものに異常があるケースも考えられますし、胃食道逆流症によって喉の粘膜がダメージを受け、喉の奥に違和感が生じる場合もあります。
加齢によって唾液や喉の分泌液が減少することで、喉の粘膜が乾燥してしまい、かゆみや感覚の異常が出現することもあります。
また、原因となる疾患がなくても喉の違和感を感じるケースもあり、このような場合には精神的なストレス(心理的な要因)が関与していることも考えられます。
【参考情報】『口・のどの症状』日本耳鼻咽喉科学会
http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/kuchi_condition.html
4.喉のイガイガやムズムズは何科に行けばいい?
喉のイガイガやムズムズを引き起こす病気にはさまざまなタイプがあるため、違和感やかゆみだけで疾患を判断することは難しいです。
しかし、咳や発熱、呼吸困難感やアレルギー症状など、喉の違和感以外の症状に注目することで、ある程度疾患を絞り込むことが可能です。
特に注意すべきは、やはり「咳」の有無です。咳があって喉に違和感をを感じるなら、アレルギー性の呼吸器疾患の可能性が考えられます。
もし、喘息や咳喘息が原因で症状が出ているなら、市販薬では治療ができません。市販の抗アレルギー薬や咳止め薬を使っても症状が改善しないようなら、呼吸器内科を受診して相談してください。
5.病院で行う検査
アレルギーの疑いがある場合、血液検査でアレルギーの有無や原因となる物質を調べることができます。
アレルギーを引き起こす物質には、ダニや植物の花粉、食べ物、犬や猫など動物由来のものがあり、人によって何に反応するのかが違います。
その他、必要に応じてX線(レントゲン)などの画像検査や、呼吸機能検査を行うこともあります。
6.おわりに
喉のイガイガやムズムズ、かゆみに加えて咳に悩んでいるときはは、呼吸器内科やアレルギーの専門医のいる病院を受診してみましょう。
アレルギーの検査や呼吸器の機能を測定して原因を調べ、適切な治療につなげましょう。