「息も吸えない」くらい激しい咳が出る病気とは
激しく咳き込みすぎて息ができないという経験をしたことはありませんか?
健康な人でも、楽しく会話している時に笑いすぎて咳き込み、息が苦しくなることはあります。しかし、そのような場合とは比べ物にならないほどの激しい咳が出て、呼吸困難になることを繰り返すなら、喘息などの呼吸器疾患にかかっている可能性があります。
この記事では、息も吸えないほど激しい咳が出る病気について解説します。咳で息が苦しくなる原因を知り、必要な措置や対策を行ってください。
1.息も吸えないほどの咳が出る病気とは
息も吸えないほど激しい咳が出る病気として、よく知られているのは喘息です。
喘息だと、発作の原因となるアレルギー物質(ほこりやペットの毛、タバコの煙など)を吸入したり、急に冷たい空気を吸ったりすることで、突然激しい咳や息苦しさなどが現れます。
【参考情報】『日常生活におけるぜん息悪化の要因』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/causes.html
さらに症状が進行すれば、激しい咳のため息も吸えないという状態に陥り、呼吸困難になることがあります。
2.市販薬では良くならない
普通の風邪でも激しい咳が出ることはありますが、「息も吸えない」くらいの症状にまで至ることはまれです。
【参考情報】『Learn About Cough』American Lung Association
https://www.lung.org/lung-health-diseases/warning-signs-of-lung-disease/cough/learn-about-cough
息も吸えないほどの咳が続くなら、先ほど紹介した喘息のほかにも、慢性気管支炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がんなどの病気にかかっている可能性もあります。
一般的な風邪ならば、安静にしているだけで良くなることも多いのですが、上記のような疾患であれば、自分の力だけで治すことは難しいでしょう。苦しいからといって市販の咳止め薬を服用すると、かえって症状が悪化することもあります。
呼吸が苦しくなるような激しい咳、しつこい咳に悩んでいる人は、早めに専門医の診察を受けてください。
3.咳で呼吸困難になったらどうする?
息も吸えないほど激しい咳が出たら、まずは仕事や運動を中止して、座る、横になる(苦しくて横になれないという場合もあるため注意)など、最も楽に呼吸できる体勢を保ち、できるだけゆっくりと呼吸を整えるようにします。
既に喘息と診断されている人が呼吸困難になった場合は、病院で処方された気管支拡張薬を直ちに使用してください。
喘息予防・管理ガイドラインでは、喘息発作のレベルが5段階に分類されており、吸入薬を使用するタイミングや救急外来を受診するタイミング、救急車を呼ぶべき状態などが細かく表記されています。
【参考情報】『喘息予防・管理ガイドライン』日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/65/2/65_97/_pdf
医師と相談し、「息が吸えないほどの咳」を防ぐための対策をしておくことも重要です。
4.おわりに
呼吸困難を感じるほどの咳が出ることがしばしばあるなら、風邪だと決めつけず、念のため呼吸器内科を受診して原因を調べておきましょう。
どのような病気であれ、早期に診断して、できるだけ病状が軽いうちに治療を開始することが大切です。
喘息と診断された場合は、早めに治療を開始し、激しい咳が出る発作を防いでいきましょう。適切な治療を受け、生活環境を整えていけば、発作のない生活を送ることができます。