咳止め薬「メジコン」の特徴と効果、副作用
メジコンは、鎮咳剤(ちんがいざい)と呼ばれる薬で、いわゆる「咳止め薬」です。
錠剤、散剤(粉薬)、液剤(シロップ)があり、患者さんの状態に合わせて最適なものを処方します。
この記事では、メジコンの使い方や効果、副作用などについて解説します。初めて使う方も、使い方を確認しておきたい方も、ぜひ最後までお読み下さい。
1.メジコンとはどのような薬か
咳は、脳の下の方にある「延髄」と呼ばれる部分に存在する「咳中枢」が刺激され、「咳反射」と呼ばれる現象が生じて起こります。
メジコンは、主成分であるデキストロメトルファンが咳中枢に直接作用することで、咳反射を抑制して咳止め効果を発揮します。
風邪や気管支炎、肺炎などで「咳がつらい」と訴える患者さんに処方することが多い薬です。
【参考情報】『Dextromethorphan』MedlinePlus
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a682492.html
2.メジコンの使い方
メジコンは、以下の手順で服用してください。
2−1.錠剤
通常、成人は1回1〜2錠を、1日1〜4回、水かぬるま湯で服用します。
2−2.散剤(粉薬)
通常、成人は1回0.15〜0.3g(主成分として15〜30mg)を1日1〜4回、水かぬるま湯で服用します。
2−3.液剤(シロップ)
小児にメジコンを用いる場合は、「メジコン配合シロップ」が処方されます。
大人でも、激しい咳や喉の痛みによって、錠剤や粉薬の内服が難しい場合には、シロップが処方されることがあります。
メジコン配合シロップは、1日に以下の量を3~4回に分けて飲みます。
・3ヵ月~7歳 1日に3~8mL
・8~14歳 1日に9~16mL
・成人 1日に18~24mL
3.メジコンの副作用
メジコンを服用すると、眠気を催しやすくなります。服用後は、車の運転や危険を伴う作業はしないでください。
その他の副作用として、ふらつき、吐き気、めまい、発疹などが報告されています。
めったにないことですが、呼吸回数の減少やアナフィラキシーの様な症状などが出現する可能性が報告されているので、特に飲み始めには、体調の変化に注意してください。
4.使用上の注意点
メジコンの「錠剤」は、小児を対象とした臨床試験が行われていないので、大人に処方された錠剤を子どもに飲ませることはしないでください。
メジコンは、一般用医薬品としても販売されており、ドラッグストアなどで買うことができます。
しかし、突然眠気に襲われたり、頭がぼーっとするなどの症状が出やすいため、薬剤師などの専門家の指導のもとで、用法用量や注意事項を守って使用していく必要があります。
妊娠中やその可能性のある方、授乳中の方は、医師や薬剤師に相談してください。
5.メジコンの薬価
メジコンの薬価(2024年8月調べ)は、以下となります。
・メジコン錠15mg 5.7円
・メジコン散10% 18.7円
・メジコン配合シロップ 1.73円
メジコンの代わりとなるジェネリック医薬品は「デキストロメトルファン」です。
6.おわりに
病院で処方する咳止め薬には、メジコンのほかに以下のようなものがあります。
咳は、体内の細菌やウイルスなどを排出するために起こる反応なので、無理に止めると、かえって体によくないことがあります。
【参考情報】『Cough』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/symptoms/17755-cough
しかし、夜も眠れないくらい咳がひどいと、体力を消耗するので、咳止め薬を用いて体をラクにすることも考えます。
ただし、咳の原因が喘息や咳喘息である場合は、咳止め薬では症状が改善しません。
メジコンを使っても症状が良くならない場合は、呼吸器内科で咳の原因を調べ、自分に合った薬を処方してもらいましょう。