ソファで喘息が悪化?適切なソファの選び方とお手入れ方法を紹介
アレルギーが原因で喘息になった人は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を家の中から減らし、避けることが大切です。
アレルゲンは、布団などの寝具に溜まりやすいのですが、ソファにも潜んでいることがあるので注意が必要です。
この記事では、ソファとアレルギーの関係を解説し、適切なソファの選び方とお手入れ方法を紹介します。
目次
1.布製のソファにはアレルゲンが溜まりやすい
布製のソファには、以下のアレルゲンが溜まりやすいとされています。
・ダニ(死骸やフンを含む)
・カビ
・ハウスダスト
上記のアレルゲンは、ソファに使用されている布の繊維の中にまで入り込み、次第に溜まっていくので、そのまま使い続けると喘息が悪化してしまう恐れがあります。
【参考情報】『Allergic Asthma』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/21461-allergic-asthma
2.ソファを使い続けるとアレルゲンが増える
布製のソファには、ダニやカビが繁殖しやすい条件がそろっています。
2-1.ダニのエサとなるフケやアカが溜まる
ソファに座ったり、寝そべったりしていると、心も体もくつろいで、つい長い時間を過ごしてしまいます。
このように、人間がソファの上で過ごすことで、ソファにフケやアカが付着し、ダニを引き寄せるエサとなります。
さらに、長時間過ごすことでソファの温度や湿度が上がり、ダニやカビが生育しやすい環境が形成されていくのです。
2-2.長年かけて溜まった汚れは落としきれない
ソファの表面を掃除したり、カバーを洗濯することはできますが、座面や背もたれの中にまで入り込んだ汚れを落とすことは、なかなかできません。
お気に入りのソファほど、長く愛用したくなりますが、同じソファをいつまでも使い続けていると、どうしてもアレルゲンが溜まり、ダニやカビが増えやすくなります。
2-3.ペットの抜け毛が落ちる
犬や猫など、毛のあるペットがソファの上で過ごすと、抜け毛が落ちて散らばります。この毛がアレルゲンとなって、喘息を悪化させる可能性があります。
ペットの毛やフケ、フンなどは、もともとアレルギー反応を引き起こしやすい物質です。さらに、毛やフケがソファに落ちると、ダニが発生しやすくなります。
3.喘息患者さんにおすすめのソファ選びとお手入れ方法
では、どのようなソファを選べば、喘息の悪化を防ぐことができるのでしょうか。
3-1.素材は本革(レザー)か合皮がおすすめ
布製のソファは、ダニの温床となりやすいため、本革(レザー)か合皮のソファを選ぶのがいいでしょう。
本革も合皮も、布のような繊維の隙間がなく、表面のホコリやダニが中に入り込みにくい素材です。
本革のソファは通気性がよく、湿気も吸収し、ダニやカビの発生を抑えてくれます。
合皮のソファは、水がしみこみにくく、汚れや汗を中に通すこともありません。
3-2.掃除がしやすいソファを選ぶ
掃除のしやすいソファを選ぶと、アレルゲンを抑えることができます。
【足つきのソファ】
足つきのソファだと、床にたまったホコリを掃除しやすく、通気性も上がります。
逆に、足のないソファやローソファのタイプだと、床にくっついている部分にホコリが溜まりやすい上、掃除機も入らず、アレルゲンを取り除くのが難しくなります。
また、通気性に乏しいので、床と密着している部分にカビが発生する恐れもあります。
【水拭きできるソファ】
ソファの表面を水拭きすると、アレルゲンが空気中に漂うことを防いで、効果的に掃除ができます。
本革は水や湿気に弱いため、乾拭きしかできないのが難点ですが、合皮であれば水拭きができます。
子どもがいる家庭はソファも汚れやすいので、水拭きしやすい合皮の方がいいかもしれません。
3-3.こまめにお手入れする
特に子どもの喘息は、アレルギーが原因であることがほとんどなので、ソファに溜まったアレルゲンをこまめに取り除くことが大切です。
ソファはほぼ毎日使うので、汚れがつきものです。掃除機で表面や溝、縫い目のホコリを吸い取った後に水拭きか乾拭きを行い、しっかりアレルゲンを取り除きましょう。
◆「喘息・アレルギーを悪化させない、カビと掃除の注意点」>>
3−4.ソファ周りに布製のものは置かない
せっかくソファを本革や合皮にしてアレルゲンを防いでも、周りにラグやクッション、ぬいぐるみを置いていると、そこにダニが発生します。
水洗いができない布製のものは、できるだけ避けたほうが無難です。
【参考情報】『悪化因子の対策 室内環境を見直しましょう』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/measures/indoor.html
4.その他の注意点
掃除のときはもちろん、日ごろから換気をする癖をつけましょう。
気密性が高く、冷房や暖房により快適さが保たれた室内は、人が住みやすいと同時に、ダニにとっても住みやすい環境になります。
換気をすると、室内の湿度が下がり、ダニが繁殖しにくくなります。また、空気中のホコリが外へ出るのもメリットです。
換気は、新型コロナウイルス対策としても有効です。「窓を開ける」「換気扇を回す」などの方法で、適宜換気を行いましょう。
5.おわりに
喘息の発作や悪化を防ぐには、できるだけアレルゲンを遠ざけることが大切です。そう考えると、ソファを置かないというのもひとつの選択肢です。
しかし、ソファがあることで家族がくつろげたり、部屋の雰囲気が良くなることもあるので、生活の中に上手に取り入れていきたいと考える人も多いでしょう。
喘息の患者さんのいる家庭では、アレルゲンが溜まりにくい素材や形のソファを選び、こまめに掃除を行うことで、ソファのある暮らしを楽しみましょう。
同時に、毎日の服薬も忘れずに行い、アレルゲンに反応しにくい状態にもっていきましょう。