喘息治療薬「インタール」の特徴と効果、副作用
インタールは喘息治療に用いる薬で、乳児や小児によく処方されます。
この記事では、インタール吸入液の使い方や効果、副作用などについて解説します。初めて使う方も、使っているうちに疑問点が出てきた方も、ぜひ最後までお読み下さい。
1.インタールとはどのような薬か
インタールは、ヒスタミンやロイコトリエンの作用を抑える働きを持つ、クロモグリク酸ナトリウムが配合された薬です。
クロモグリク酸ナトリウムが、アレルギーの原因物質を抑制することによって、喘息の症状が落ち着いていくことが期待できます。
【参考情報】『Cromolyn (Inhalation Route)』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/drugs-supplements/cromolyn-inhalation-route/description/drg-20067594
吸入液の服薬には、電動式の「ネブライザー」と呼ばれる医療機器が必要で、基本的には医療機関から借りて使います。
器具のレンタルやセットは面倒に思うかもしれませんが、ネブライザーを使うと、自然に呼吸しているだけで薬が吸入できるため、赤ちゃんや小さなお子さんでも簡単に服薬できるというメリットがあります。
以前は吸入液のほか、「エアロゾル」というタイプもありましたが、販売中止となりました。
【参考情報】『経過措置品目移行に関するお知らせ 』サノフィ
https://www.e-mr.sanofi.co.jp/dam/jcr:6e167957-9abe-47dd-9233-aa3fcfed7157/allegra_intal.pdf
2.インタールの使い方
以下、インタールの服用方法を説明します。
インタールは、「アンプル」と呼ばれるプラスチックの容器に一回分ずつ、個包装になって分けられています。
通常、1アンプル(20mg)を朝・昼・就寝前の1日3回、あるいは朝・昼・夕・就寝前の1日4回、ネブライザーを用いて吸入します。
3.インタールの副作用
インタールは比較的安全性の高い薬ですが、まれに以下のような副作用が現れることがあります。
・発心
・喉への刺激
・吐き気
また、薬剤に刺激され、咳や喘鳴(ヒューヒューという呼吸音)、息切れなどが出ることもあります。
このような場合はいったん使用を中止し、かかりつけ医に相談しましょう。
4.使用上の注意点
インタールは、喘息の発作を抑える薬ではありません。発作が起こり、咳や息苦しさが強くなってきたときは、医師から処方された発作治療薬(リリーバー)を服用してください。
インタール吸入液には、プラスチック製のアンプルと呼ばれる容器が使用されています。
小さなお子さんが、アンプルの切れ端などを誤って口に入れてしまわないよう、容器の取り扱いにご注意ください。
インタールを正しく吸入するためには、電動式ネブライザーの使用方法やメンテナンス方法について専門家の指導を受け、しっかり確認しておきましょう。
妊娠中やその可能性のある方、授乳中の方が服薬する際には、医師に相談してください。
【参考情報】『Asthma During Pregnancy』Asthma and Allergy Foundation of America
https://aafa.org/asthma/living-with-asthma/asthma-during-pregnancy/
5.インタールの薬価
インタールの薬価は、以下となります。
・インタール吸入液1% 29.4円
インタールの代わりとなるジェネリック医薬品は「クロモグリク酸Na吸入液」です。
6.おわりに
インタールを使い続けても症状がよくならない時は、まずは正しく吸入できているかどうかを確認しましょう。
また、体調がよくなったからといって、自己判断で薬を止めると、再び病状が現れることがあります。必ず専門医の指示に従い、決められた期間に、決められた量を服用するようにしてください。