花粉症治療に用いる抗アレルギー薬「アレグラ」の特徴と効果、副作用
アレグラは、抗ヒスタミン成分であるフェキソフェナジンを配合した飲み薬です。花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎や、じんましんなど皮膚疾患の患者さんに処方します。
抗アレルギー薬の中には、眠気などの副作用が強い薬もありますが、アレグラは副作用が少ないため使いやすい薬です。しかし、他の薬との飲み合わせには注意が必要です。
この記事では、アレグラの効果や副作用、服用方法について解説します。アレグラには市販薬もありますが、市販薬と処方薬の使い方には少し違いがあるので確認してください。
1.アレグラとはどのような薬か
アレグラは、フェキソフェナジンという成分を配合した飲み薬(錠剤)です。
フェキソフェナジンは、アレルギー反応を引き起こす物質であるヒスタミンが、ヒスタミンを受け取る受容体に結合することを妨げて、アレルギー反応を抑えます。
また、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が体内に放出されるのを防ぐことで、アレルギー症状を緩和します。
アレグラは、従来の抗ヒスタミン成分の特徴的な副作用である眠気や口の渇きが比較的少ないため、花粉症のシーズンに広く利用されます。
また、じんましんやアトピー性皮膚炎などかゆみを伴う皮膚疾患に対しても効果があります。ただし、市販薬のアレグラは、皮膚の症状には使えません。
花粉症による鼻水や鼻づまりのために使用する場合は、花粉が飛散する前から服用を始めると、症状が出にくくなります。
アレグラのジェネリック医薬品であるフェキソフェナジン塩酸塩には、錠剤のほか、口の中に入れるとすぐに溶けるOD錠という種類があります。
【参考情報】『Fexofenadine』MedlinePlus
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a697035.html
2.アレグラの使い方
アレグラは通常、1日2回、水かぬるま湯と一緒に服用します。年齢により服用する量が異なるため注意してください。
・7歳以上12歳未満:30mg錠を1回1錠
・12歳以上:60mg錠を1回1錠(または30mg錠を1回2錠)
3.アレグラの副作用
アレグラを服用すると、次のような副作用が出ることがあります。
・頭痛
・眠気
・腹痛
・吐き気
・口の渇き
また、めったにありませんが以下の副作用が起こることもあります。
・ショック、アナフィラキシー
・肝機能障害
アレグラを服用後に以下のような症状が現れたら、すぐに病院を受診してください。
・胸痛
・黄疸
・呼吸が苦しい
・意識が遠のく
4.使用上の注意点
アレグラは、妊娠中・授乳中の方には適さない薬とされていますが、比較的安全な薬であるとの研究結果も報告されています。妊娠中・授乳中の方が服用を希望する場合は、医師や薬剤師に相談してください。
【参考情報】『Association Between Fexofenadine Use During Pregnancy and Fetal Outcomes』National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32478810/
水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムは、アレグラの効果を弱めてしまう恐れがあります。この2つの成分は、市販の胃薬や便秘薬、総合感冒薬に配合されることがあるため、一緒に服用しないように注意しましょう。
また、市販の総合感冒薬や鼻炎薬、酔い止め薬、睡眠改善薬には抗ヒスタミン成分が配合されています。同時に服用すると副作用が出やすくなるため、アレグラとは一緒に服用しないよう気をつけてください。
アレグラは、グレープフルーツやオレンジ、リンゴなどのフルーツジュースと一緒に服用すると、有効成分の吸収率が下がって効果が出にくくなるので注意しましょう。
【参考情報】『果物ジュースと薬の飲み合わせ』日本薬学会
https://www.pharm.or.jp/mame/20140202.shtml
5.アレグラの薬価
アレグラ1gあたり、または1錠あたりの値段(2024年8月調べ)は以下のとおりです。
・アレグラ錠30mg 24.3円/錠
・アレグラ錠60mg 31円/錠
アレグラのジェネリック医薬品として「フェキソフェナジン塩酸塩」があります。
また、アレグラと同じ成分を含む市販薬も発売されています。商品名はさまざまなので、成分に「フェキソフェナジン塩酸塩」と記載のあるものを選びましょう。
ただし、市販薬の効能効果は花粉症などによるアレルギー性鼻炎のみです。じんましんや皮膚疾患の治療に、アレグラの市販薬を使うことはできないため注意しましょう。
市販薬のパッケージに記載のない症状で服用した場合、副作用が出たときに補償が出る救済制度の対象とはなりません。市販薬を服用する際には、必ず効能効果を確認してください。
【参考情報】『薬の副作用かな?と思ったら すぐに医師にご相談を!』政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201911/1.html
6.おわりに
アレグラは、副作用が比較的少なく市販薬としてもおなじみの薬ですが、飲み合わせには注意が必要です。特に市販薬の服用にあたっては、パッケージや説明書きをよく読んでください。
アレグラが合わなかったときには、同じ第二世代抗ヒスタミン薬であるアレジオンやタリオン、アレロックなどが代わりに服用できます。
また、スギ花粉が原因の花粉症は、効果が7~8年ほど持続するアレルゲン免疫療法での治療も可能です。