糖尿病の食事に欠かせないキノコ
糖尿病の方に積極的に食べてほしい食材、それは「キノコ!」
キノコにヘルシーなイメージはすでにあるかと思いますが、なぜそんなにキノコは体にいいのでしょう?
キノコが健康にいい理由は3つあります。
目次
1.キノコの食物繊維で糖質の吸収が抑えられる
食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と溶けにくい「不溶性食物繊維」がありますが、きのこにはどちらも含まれています。
このうち、なめこに豊富に含まれる「水溶性食物繊維」は、水に溶けるとゲル状(ゼリーのように柔らかくてプルプルした状態)になり、胃の中で食べ物を包み込みます。この作用によって、糖質やコレステロール、塩分の吸収を抑える効果があります。
食事の際にキノコを最初に食べると、その後に摂取する糖質の吸収が抑えられ、血糖値の急上昇を防ぐことができます。糖尿病の方に「まず野菜を食べる」ことが勧められるのも、このような水溶性食物繊維の働きがあるからなのです。
【参考情報】『Fiber: The Carb That Helps You Manage Diabetes』CDC
https://www.cdc.gov/diabetes/healthy-eating/fiber-helps-diabetes.html
2.キノコのビタミンBで糖をエネルギーに変える
キノコには、ビタミンB1、B2、ナイアシンなどのビタミンB群が、比較的豊富に含まれています。これらのビタミンB群は糖質の代謝に関わり、体内でブドウ糖をエネルギーに変える重要な役割を果たします。
ビタミンB群が不足すると、体内でブドウ糖がうまく代謝できず血糖値が上がりやすくなるため、特に糖尿病の方にとって欠かせない栄養素です。
3.尿に排出される亜鉛をキノコで補う
キノコには、カリウムやリンなどさまざまなミネラルが含まれています。その中でも「亜鉛」は、糖尿病の人にとって重要なミネラルです。
糖尿病の人は、健康な人に比べて尿中に多くの亜鉛が排出されるので、亜鉛は積極的に摂取したい栄養素です。
亜鉛は、特に干し椎茸などの「干したキノコ」に多く含まれています。
4.主なキノコの種類と含まれる栄養分
この章では、スーパーでよく見かけるキノコの特徴と、その中に含まれる主な栄養分を紹介します。
4-1.しいたけ
日本料理でよく使われる香り豊かなキノコ。生しいたけと乾燥しいたけがあり、乾燥しいたけはうま味成分であるグアニル酸が豊富。
<主な栄養分>
・ビタミンD(特に乾燥しいたけに多い)
・食物繊維
・ビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸など)
4-2.ぶなしめじ
クセが少なく、どんな料理にも使いやすいキノコ。
<主な栄養分>
・ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2など)
・食物繊維
・カリウム
【参考情報】『カリウム』e-ヘルスネット|厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
4-3.えのきたけ
シャキシャキした食感がある細長いキノコ。
<主な栄養分>
・ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2など)
・食物繊維
・ビタミンD
4-4.まいたけ
香りと食感が楽しめるキノコ。
<主な栄養分>
・食物繊維
・ビタミンD
・カリウム
4-5.エリンギ
弾力と歯ごたえのある肉厚なキノコ。
<主な栄養分>
・食物繊維
・ビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸など)
・カリウム
4-6.なめこ
滑らかな食感があるキノコ。みそ汁に使われることが多い。
<主な栄養分>
・食物繊維
・ビタミンB群(ナイアシン、ビオチンなど)
・カリウム
4-7.きくらげ
コリコリした食感のキノコで、中華料理によく使われる。
<主な栄養分>
・食物繊維
・ビタミンD
・カルシウム
4-8.マッシュルーム
洋食に使われることが多いキノコ。新鮮なものは生でも食べられる。
<主な栄養分>
・食物繊維
・ビタミンB群(ビタミンB2、ビタミンB6など)
・カリウム
5.おわりに
キノコの種類は60,000種を超えると言われています。その中で食用きのことされているのはおよそ200種類ほど。
スーパーで知らないキノコをみつけたら買ってみると、さらにキノコのレシピが広がるかもしれません。
キノコのおいしさを味わいながら、血糖値も上手にコントロールして、糖尿病の進行を抑えていきましょう。