インフルエンザの検査方法・時期・費用について
38℃以上の高熱や寒気、関節痛、筋肉痛、頭痛、全身のだるさなどが急激に強く現れたらインフルエンザの疑いがあります。
インフルエンザは、早く治療を始めるほど早く治るし楽になりますが、まずは風邪やほかの病気ではないことを検査で確認しておくと安心です。
目次
1. 迅速診断キットを使ったインフルエンザの検査方法
インフルエンザの疑いがある場合、病院では「迅速診断キット」を使って検査するのが一般的です。
最初に綿棒のようなものを鼻の穴の奥に入れて中をぬぐい、粘膜を採取します。この方法は少し痛みがあるので、小さなお子さんは嫌がることが多いのですが、十分な量のウイルスを採ることができます。
シート状の紙に鼻をかんで、そこに付いた液体を採取する方法もありますが、この方法ではウイルスがあまり採れないという報告もあります。
【参考資料】『インフルエンザ抗原迅速検査 における鼻かみ検体の有用性』梅田悦生
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibirin1925/99/9/99_9_781/_pdf/-char/ja
採取した粘膜を迅速診断キットに垂らしてボタンを押すと、30分程度で結果が出ます。 インフルエンザに感染していると、キットの判定部分が青く染まるので、見てわかります。
ウイルスがA型だとA型に反応する部分が、B型だとB型に反応する部分が染まるので、ウイルスの型も識別することができます。
2. インフルエンザはいつ検査するのがいいのか
疑わしい症状が出てから12時間後くらいに検査するのが良いでしょう。それより早いと、インフルエンザに感染していても体の中のウイルスの数がまだ少ないため、キットが反応しないことがあります。
最近では感染初期に検査ができるキットも登場していますので、早めに検査を受けたい方は、病院のホームページなどで確認してください。
インフルエンザの治療薬は、症状が現れてから12時間~48時間の間に服用すると効果的です。その点を考慮すると、やはり症状が現れてから12時間後に検査するのがおすすめです。
検査の精度は60~70%くらいといわれているので、病院では検査結果だけではなく、具体的な症状や周囲の流行状況などもみて、総合的に判断します。
【参考資料】『Overview of Influenza Testing Methods』CDC(Centers for Disease Control and Prevention)
https://www.cdc.gov/flu/hcp/testing-methods/index.html
3. インフルエンザ検査にかかる費用
医療費の自己負担が3割だと、2,000円弱となります。医療費の自己負担が3割の方は、小学生から70歳未満の方と、70歳以上で現役世代並みの所得がある方になります。
4. インフルエンザの検査ができる病院
インフルエンザと思われる症状が出たら、まずは近くの内科や呼吸器内科を受診しましょう。そこで必要だと判断されたら検査をします。
お子さんは小児科で検査を受けてもいいでしょう。耳鼻科で検査ができる病院もあるので、もともと耳や鼻の病気を持っている方はそちらを受診してもいいのですが、内科だとインフルエンザではなかった場合でも、総合的な診断が可能となります。
検査キットは一般には販売されていないので、検査は医療機関で受けてください。
5. インフルエンザ検査の結果が出たら
検査で陽性(インフルエンザに感染している)となったら、すぐに抗インフルエンザ薬を飲むことで、つらい症状が和らぎ、重症化を防ぐことができます。
帰宅後は安静にして過ごし、高熱による脱水を防ぐため、こまめに水分を補給して回復を待ちましょう。陰性(インフルエンザではない)だった場合も、医師の診断を受け、必要に応じた治療を受けましょう。
6. おわりに
迅速キットが開発されるまでは、大学病院など大きな病院でしかインフルエンザの検査ができず、しかも時間がかかっていましたが、現在はほとんどの内科で検査ができるようになり、時間も短縮されました。
検査を活用して早くに治療を開始し、元気な日常を取り戻しましょう。