ブログカテゴリ
外来

あなたのその症状、隠れ貧血かも?!

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2024年11月14日

こんにちは

「なんだか体がだるい」「肌が荒れている」

そう感じる事、ありませんか?
そう感じる事が多い人は、

「隠れ貧血」の可能性があります。

隠れ貧血は、「潜在性鉄欠乏症」、「潜在性鉄欠乏性貧血」、「鉄欠乏性貧血予備軍」などと言われています。

貧血とは、簡単に言うと「体の組織が酸欠状態になっている事」です。

1.貧血になると…


血液は体中に張りめぐらされた血管のなかを流れていて、全身の細胞に酸素と栄養素を送り届けると同時に二酸化炭素と老廃物を回収しています。

貧血状態になると、酸素が全身に運ばれなくなり、老廃物回収の機能が低下して疲れやすくなります。

◆健康診断で「貧血」と言われたら?>>

なお、貧血は、子宮筋腫、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、白血病、慢性腎不全といった病気が原因となって生じることがあります。

2.貧血になりやすい季節

実は、夏というのは非常に貧血になりやすい季節です。

夏場は暑さから、めまいなどが起こりやすいと思っている人もいると思います。

確かに、高い気温による体調不良もあるのですが、夏に貧血が起こりやすいのは、栄養不足が大半です。

暑くなると、食欲が落ち、ついついあっさりとした簡単な物で食事を済ませてしまうという方は多いと思います。

普段よりも食べる量が減ったり、食事を簡単な物で済ませたりするというのは、本来必要な栄養素が充分に取れない事に繋がります。

なので、暑さで食欲に影響が出る人は、知らない間に栄養不足に陥り、貧血になっている可能性が非常に高いのです。

3.貧血を調べる方法


貧血かどうかは、血液検査で調べることができます。

赤血球の数やヘモグロビンの量がどれくらいあるのかを調べ

男性の場合、ヘモグロビンが血液1dl中14g以下
女性の場合は12g以下
ご高齢の方は、男女共に11g以下

上記の数値が貧血かどうかの目安になります。

しかし、この数値ではなくても、「鉄不足」によって貧血の症状を引き起こすこともあります。特に女性は、月経での経血により鉄が失われるため隠れ貧血になりやすい傾向があります。経血量が多い過多月経の女性は特に注意が必要です。また、汗や尿、便からも鉄は失われます。

貧血にも一時的なものから、医師の指示で治療を行わなければいけないものまで様々ですので、正確に診断するにはもっと詳しく検査をする必要があります。

そこであなたの今の状態が、隠れ貧血かどうか以下の項目で簡易的にチェックしてみましょう。

・寝起きが悪く、体がだるい
・疲れやすい
・肌や髪にツヤがない
・首のこりがひどい
・顔色、爪の色が悪い
・目の下にクマができやすい
・肌荒れが治りにくい
・睡眠不足
・動悸、息切れがある
・足がむくむ
・1日3食食べることは少ない
・食事はファストフードやコンビニ弁当、インスタント食品が多い
・食事をお菓子で済ませてしまうことがある

4つ以上当てはまる場合は、隠れ貧血の可能性があります

たかが貧血と放っておくと、重症化する事もあります。

4.おわりに

隠れ貧血を起こさないためには、バランスのよい食事をとることが大切です。

鉄分摂取の対策として、体に吸収されやすいヘム鉄(赤身の肉・魚、レバー)と、体へ吸収されにくい非ヘム鉄(豆類や緑黄色野菜)をバランスよく摂取するとよいでしょう。

お茶やコーヒーには、タンニン(鉄分の吸収を妨げる)が含まれているため、食事前後や食事中は控えるようにしましょう。

隠れ貧血を悪化させてしまうと、立っているのも困難、こん睡状態、入院治療を必要とする状態にもなりかねません。

「隠れ貧血かもしれない」と感じていたら受診してみることをおすすめします。

「血液内科」の専門医がいる当院にお気軽にご相談ください。

◆「貧血対策」について詳しく>>

電話番号のご案内
電話番号のご案内
横浜市南区六ツ川1-81 FHCビル2階