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ビタミンCで感染症予防!

執筆者: わたなべゆうか(管理栄養士)
最終更新日 2024年10月18日

ビタミンCには、コラーゲンをつくる働きやホルモンを合成する働き、抗酸化作用などさまざまな役割があります。

特に、新型コロナウイルスが猛威を振るう中で注目したいのは、免疫に関与する働きです。

この記事では、ビタミンCと感染症の関係についてまとめました。ビタミンCを効率よく摂る方法も紹介しますので、ぜひ役立ててください。

1.ビタミンCのはたらき

1―1.ビタミンCと感染症の関係

ビタミンCは免疫に関与し、抗ウイルス作用や抗菌作用があると考えられています。

体内にウイルスなどの病原体が侵入すると、 “インターフェロン”という物質がつくられます。インターフェロンには、細胞にウイルスの増殖を抑えるタンパクを働かせるように指令を出す役割があります。

インターフェロンをつくるためには、ビタミンCが必要です。したがって、ウイルスを排除したり、ウイルスの増殖を抑えたりするためには、日ごろからビタミンCを十分に摂っておくことが大切です。

【参考資料】『心と体を強くする!メガビタミン健康法』(藤川徳美/方丈社)
https://hojosha.co.jp/menu/824375

1-2.コラーゲン合成と感染症予防

コラーゲンは、肌や血管などを構成している重要な成分です。人の体を構成するタンパク質のうち、約30%がコラーゲンです。

コラーゲンをつくる材料として特に重要な栄養素は、タンパク質、鉄、ビタミンCです。

コラーゲンには、皮膚や粘膜を丈夫にし、細菌やウイルスに対して最前線で防御する役割もあります。

【参考資料】『Vitamin C and Skin Health』Linus Pauling Institute|Oregon State University
https://lpi.oregonstate.edu/mic/health-disease/skin-health/vitamin-C

タンパク質や鉄、ビタミンCが不足することによりコラーゲンが不完全だと、皮膚や粘膜から細菌やウイルスが侵入しやすくなり、感染しやすくなります。

また、皮膚や粘膜のバリア機能が低下してアレルゲンが侵入しやすくなると、アレルギー疾患の発症にもつながります

したがって、タンパク質や鉄、ビタミンCを日ごろから十分に摂り、丈夫なコラーゲンをつくっておくことが、感染症予防につながります。

【参考資料】『心と体を強くする!メガビタミン健康法』(藤川徳美/方丈社)
https://hojosha.co.jp/menu/824375

◆「たんぱく質をたっぷり摂って美と健康を。」>>
◆「鉄のおもな特徴とアレルギー疾患を改善するはたらき」>>
◆「ビタミンCのおもな特徴とアレルギー疾患を改善するはたらき」>>

2.ビタミンCの必要量


ビタミンCは、人間の体内で合成することができないので、食事で摂る必要があります。

1日当たりの必要量は、成人では男女とも100㎎とされています。しかし、ウイルス感染に対してビタミンCを効果的に使うためには、1000㎎以上必要です。

余った分は尿として排出されるので、過剰摂取のリスクは通常心配ありません。

ただし、腎機能に問題がある方はサプリメントなどで大量に摂ると腎結石のリスクが高まることがあるので、医師に相談してください。

以下の研究では、ビタミンCのサプリメントの過剰摂取により、男性の腎結石のリスクが上がることが指摘されています。

【参考情報】『Ascorbic Acid Supplements and Kidney Stone Incidence Among Men: A Prospective Study』JAMA Internal Medicine
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1568519

3.ビタミンCを効率よく摂る方法

3-1.ビタミンCを多く含む食品

ビタミンCを摂るためには、野菜を積極的に食べるのがおすすめです。

ビタミンCは、ブロッコリーやカリフラワー、赤ピーマンなどの野菜や、柿やネーブル、キウイフルーツなどの果物に多く含まれています。

ビタミンCといえば果物に多く含まれているイメージがあるかもしれません。しかし、果物には糖質が多く含まれているので、食べ過ぎには注意が必要です。

〜食品とビタミンCの含有量〜
●ブロッコリー・・・1/2株(100g)あたり120㎎
●カリフラワー・・・1/2個(150g)あたり122㎎
●赤ピーマン・・・1/4個(40g)あたり68㎎
●柿・・・1個(160g)あたり112㎎
●ネーブル・・・1個(150g)あたり90㎎
●キウイフルーツ・・・1個(100g)あたり69㎎

【参考資料】『臨床栄養ディクショナリー』(伊藤孝仁/メディカ出版)
https://store.medica.co.jp/item/302242955

3-2.ビタミンCを食材から摂るには

ビタミンCを効率よく摂るためには、なるべく加熱しないことが大切です。

ビタミンCは加熱で壊れやすいので、生で食べることにより、ビタミンCを壊さずに摂ることができます。野菜や果物は生で食べるのがおすすめです。

加熱する場合には、調理過程でビタミンCを壊さないようにすることが大切です。

ビタミンCは水に溶けやすいので、ゆでると水の中に溶け出てしまいます。ですから、スープなど汁ごと食べるものや、蒸し料理にするのがおすすめです。

3-3.サプリメントで摂取する

食事で摂るのが難しい場合は、サプリメントを利用するのもおすすめです。

ビタミンCは、摂取して数時間で尿と一緒に排出されてしまうため、一度にたくさんの量を摂るのではなく、数時間おきに少量ずつこまめに摂るのが効果的です。

信頼できる製品を選ぶには「GMP認定工場」で作られているものかどうかを確かめると良いでしょう。

GMPとは「Good Manufactuiring Practice=適正製品規範」の略で、原材料の受け入れから製造、出荷に至るまで、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるために設けられた、医薬品レベルの厳しい製造工程管理基準です。

【参考情報】『GMPとは』日本医薬品原薬工業会
http://www.jbpma.gr.jp/bulk-pharmaceuticals/gmp

4.おわりに

ビタミンCは免疫に大きく関与しているので、不足すると感染症にかかりやすくなります。

感染症を防ぐには、普段から野菜やサプリメントなどで、ビタミンCを積極的に摂ることが大切です。

手洗いやマスク、アルコール消毒も忘れずに、丈夫な体をつくっていきましょう。

自分に合った食事やサプリメントを知りたい方は、当院の管理栄養士に相談することもできます。興味のある方は、診察時または受付で「栄養カウンセリングを受けたい」と、お気軽にお申し出ください。

◆「栄養カウンセリング」について>>

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