花粉症治療に用いる抗アレルギー薬「アレロック」の特徴と効果、副作用
アレロックは、花粉症の治療に使われる薬です。アレルギー物質であるヒスタミンの作用を抑えて、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどを和らげます。
この記事では、アレロックの効果や使い方、副作用などについて解説します。花粉症の治療でアレロックを使用している方やこれから服用する方は、ぜひ参考にしてください。
1.アレロックとはどのような薬か
アレロックは、有効成分として「オロパタジン」を含むヒスタミン受容体拮抗薬です。錠剤、OD錠(口腔内崩壊錠)、顆粒の3つのタイプが販売され、花粉症のほか、じんましんなどかゆみを伴う皮膚疾患の治療にも使われます。
花粉症の人は、スギやイネなど特定の植物の花粉に体が過敏に反応します。その反応により、アレルギー物質であるヒスタミンやロイコトリエンが分泌され症状が現れます。
オロパタジンは、これらのアレルギー物質が体内に放出されるのを抑えたり、はたらきを妨げることで、症状を和らげます。
抗ヒスタミン薬は、発売された時代に基づき、第一世代と第二世代に分けられます。アレロックは第二世代に分類されます。
第二世代の抗ヒスタミン薬は、眠気や口の渇きなどの副作用が第一世代よりも少ないのですが、アレロックは比較的眠気が出やすいとされています。
【参考情報】『Antihistamines』NHS
https://www.nhs.uk/conditions/antihistamines/
2.アレロックの使い方
アレロックの使用方法は年齢ごとに異なります。それぞれの使用方法を紹介します。
2-1.成人、7歳以上の小児
通常、1回5mg(顆粒剤として1g)を1日2回、朝と就寝前に服用します。水かぬるま湯で服用してください。
OD錠は、口に入れると唾液で溶けるので水なしでも飲めますが、飲みにくい場合は、水かぬるま湯に溶かして飲んでください。
2-2.2歳以上7歳未満の小児
通常、1回2.5mg(顆粒剤として0.5g)を1日2回、朝と就寝前に服用してください。
お子さんが飲むのを嫌がる場合は、母乳やアイスなどに混ぜて服用させても構いません。
3.アレロックの副作用
アレロックの主な副作用は以下となります。
・眠気
・頭痛
・倦怠感
・口の渇き
・腹部の不快感
特に、眠気はよくある副作用です。運転業務や日常生活に支障が出る場合は、医療機関に相談してください。
また、体全体にわたって発疹や痒みが出た場合は薬剤性過敏症の疑いがあります。その場合は服用をすぐに中止して、医療機関を受診しましょう。
【参考情報】『薬剤性過敏症症候群とはどういう病気ですか?』日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa18/q03.html
ごく稀ではありますが、以下のような重篤な副作用もあります。
・劇症肝炎
・肝機能障害
服用後に少しでも異常が見られ、耐えられない症状だと感じた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
4.使用上の注意点
アレロックの副作用である「眠気」は、比較的高い頻度で起こる可能性があります。特に服用直後は、眠気やふらつきによる転倒のリスクが増すため、運転や危険な機械の操作はできるだけ控えるようにしてください。
市販の風邪薬には、アレロックと同じ作用の成分が含まれている商品があります。アレロックと同様の成分を含む薬を一緒に服用してしまうと、副作用が強く出てしまう恐れがあるのでご注意ください。
もし、アレロックの服用中に風邪をひいてしまったときは、自己判断で風邪薬を服用せず、必ず医師または薬剤師に相談しましょう。
アレロックの効果は服用後からすぐに出始めます。しかし、十分に効果を発揮するためには、数日から数週間にかけての期間が必要です。
花粉症の症状のピークを把握できる場合は、症状が出る前に医療機関を受診して、早めに服用を開始するとよいでしょう。
妊娠または妊娠している可能性のある女性や授乳中の方は、服用の可否について主治医と相談が必要です。必ず受診の際に相談してください。
5.アレロックの薬価
アレロックの薬価(2024年8月調べ)は、以下のとおりです。
・アレロック錠2.5mg 19.3円/錠
・アレロック錠5mg 24.3円/錠
・アレロックOD錠2.5mg 19.3円/錠
・アレロックOD錠5mg 24.3円/錠
・アレロック顆粒0.5% 33.1円/g
アレロックの代わりとなるジェネリック医薬品は「オロパタジン」です。
アレロックと同じ有効成分を含む市販薬はありません。
6.おわりに
アレロックは、アレルギー症状を抑える効果は高いのですが、眠気が強く出ることが多い薬です。
「眠気が強い」「のどが渇く」などの理由で合わないと感じた場合は、医師に相談してください。アレロックが合わなかったときには、同じ第二世代抗ヒスタミン薬であるアレジオンやタリオン、アレグラなどが代わりに服用できます。
医師と相談しながら自分に合った薬を使い、症状の悪化を防ぎましょう。