花粉症治療に用いる抗アレルギー薬「デザレックス」の特徴と効果、副作用
デザレックスは、花粉症の治療に使われる薬です。アレルギー物質であるヒスタミンの作用を抑え、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどの症状を和らげる効果があります。
この記事では、デザレックスの特徴や効果、使い方、副作用についてくわしく解説します。すでにデザレックスを使用している方や、これから使用を検討している方は、参考にしてください。
1.デザレックスとはどのような薬か
デザレックスは「デスロラタジン」を有効成分とするヒスタミンH1受容体拮抗薬です。花粉症によるアレルギー性鼻炎のほか、じんましんのようなかゆみを伴う皮膚疾患にも用いられます。
花粉症では、スギなどの花粉に対して過敏な反応が起こり、ヒスタミンやロイコトリエンなどのアレルギー物質が体内に放出されます。
これらのアレルギー物質が増えると、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目やのどのかゆみなどの症状が現れますが、デザレックスは、アレルギー物質の作用を抑制することで、花粉症の症状を軽減します。
抗ヒスタミン薬は、発売時期によって第一世代と第二世代に分類されており、デザレックスは第二世代に属しています。第二世代の薬は、眠気や口の渇きなどの副作用が第一世代よりも少なく、使いやすい薬です。
【参考情報】『Desloratadine』MedlinePlus
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a602002.html
2.デザレックスの使い方
デザレックスの錠剤は、水かぬるま湯と一緒に服用してください。
通常、成人と12歳以上の小児は、1日1回・5mgを服用します。12歳未満の小児へは処方しません。
デザレックスは、食事の影響を受けない薬なので、飲み忘れてしまった場合は、気づいた時にいつでも服用してかまいません。
ただし、次回の服用時間が近い場合はのまずに、次の服用時間に1回分を服用してください。
3.デザレックスの副作用
デザレックスの主な副作用は以下となります。
・眠気
・コレステロール増加
・頭痛
・動悸
・口の渇き
デザレックスは副作用の少ない薬ではありますが、上記のような症状により日常生活に支障が出る場合は、医師や薬剤師に相談してください。
また、体全体にわたる発疹や痒みが出る場合は薬剤性過敏症の可能性があります。そのような場合は服用を中断して医療機関を受診しましょう。
また、発現はごく稀ですが、重篤な副作用もあります。
・てんかん
・けいれん
万が一、てんかんやけいれんなどの重大な副作用が発現した場合は、すぐに救急車を呼んだり救急で医療機関を受診してください。
4.使用上の注意点
抗アレルギー薬の副作用として「眠気」があります。しかし、デザレックスは比較的眠気が少ない薬なので、服用後に車を運転しても問題ありません。
ただし、副作用の強さには個人差があるため、強い眠気やめまい、ふらつきが出た場合は、車の運転や危険を伴う機械の操作を控えてください。
デザレックスの有効成分のデスロラタジンは、市販の風邪薬にも含まれることがある「ロラタジン」という成分から作られる薬剤です。
【参考情報】『Loratadine (Clarityn)』NHS
https://www.nhs.uk/medicines/loratadine/
もし、デザレックスが体に合わず、過敏症やアレルギーが出た経験のある人は、ロラタジンでも同様の副作用が出る恐れがあります。当てはまる人は、自己判断で風邪薬を服用せず、必ず医師または薬剤師に相談しましょう。
デザレックスの効果は服用後からすぐに出始めます。しかし、十分に効果を発揮するためには、数日から数週間にかけての期間が必要です。
花粉症の症状のピークを把握できる場合は、症状が出る前に医療機関を受診して、早めに服用を開始するとよいでしょう。
妊娠または妊娠している可能性のある女性や授乳中の方は、服用の可否について主治医と相談してください。
5.デザレックスの薬価
デザレックスの薬価(2024年8月調べ)は、以下のとおりです。
・デザレックス錠5mg 42.6円/錠
デザレックスの代わりとなるジェネリック医薬品は発売されていません。
6.おわりに
デザレックスは、食事の影響を受けず、1日1回だけの服用でよいため、抗アレルギー薬のなかでも使いやすい薬です。しかし、自分には合わないと感じる方もいるかもしれません。
デザレックスと同じ効果を示す第二世代抗ヒスタミン薬には、アレロックやアレジオンなどがあります。
もし、デザレックスが自分に合わないと感じた場合は、医師に相談してみてください。 服用方法や薬の効き目は薬剤によって異なるため、自分に合うものを服用することが大切です。
症状の悪化を防止するために、医師の指示を守って治療を継続し、健康を維持することに努めましょう。