呼吸器内科を受診すべき症状とは?
□風邪は治ったはずなのに咳が止まらない
□呼吸をすると胸のあたりが痛い
□階段を上るのが苦しくてつらい
□タバコをやめたいけどやめられない
日常生活の中でこのような不調や体調の変化を感じた時、
「どこの病院に行くべきか迷う」
「何科にかかればよいかわからない」
と悩んだ経験はありませんか?
上記のような症状がある時は、迷わず呼吸器内科を受診することをおすすめします。
たとえ小さな症状であっても、その背景には大きな病気が隠れている場合があります。早期発見によって治療できる病気はたくさん存在するため、早期発見・早期治療が病気を寛解に導く“カギ”になるのです。
そこで今回は、呼吸器内科について紹介しながら、呼吸器内科が専門的に扱う病気や、呼吸器内科を早めに受診すべき理由などをご紹介します。
1.呼吸器内科について
呼吸器内科とはその名の通り「呼吸器」を専門に扱う診療科です。
具体的には、呼吸の異変や肺の病気、気管支の病気などが呼吸器系の病気として扱われます。
細かく言えば、ほかの診療科(循環器科や耳鼻咽喉科)と診療の違いはあるのですが、患者さん本人が症状の違いを見分けることはむずかしいので、迷っているのであれば、呼吸器内科で一度診察をうけてみるのが良いでしょう。
ちなみに当院は呼吸器内科ですが、例えば検査や診察をして、症状の原因が心臓にありそうだと判断した場合には、循環器科のある病院へ紹介をしています。
このように、呼吸器内科では、日常のさまざまな体調不良を診療することができます。
「呼吸器内科は喘息や肺がんを診るところ」と思われる方も多いのですが、一般的な感染症も得意分野ですので、深く考えすぎず、「胸が苦しい」「喉に違和感がある」のような症状でも呼吸器内科を選択していただいて大丈夫です。
【参考情報】『専門医検索』日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/search/specialist/index.php
◆「痰がからみ、咳が止まらない時に考えられる呼吸器の病気」について>>
2.呼吸器内科で診ることができる症状、病気
呼吸器内科では、一般的な風邪から喘息、気管支炎、肺炎、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)まで、呼吸器に関連するさまざまな症状を取り扱います。また、インフルエンザなどの感染症のほか、睡眠時無呼吸症候群や禁煙などの治療も行います。
そのため、診察している症状も幅広く、咳や痰はもちろんのこと、胸の痛みや全身の倦怠感までが診療の対象となります。
呼吸器疾患の症状を改善するためには、適切な薬物治療や酸素療法が必要となります。
喘息やCOPDなどの治療に必ずと言って良いほど使われる気管支拡張剤や吸入ステロイドなどはとても専門的な薬剤であり、専門的知識のある医師の適切な用法・用量の管理がとても重要になります。
3.呼吸器内科を受診すべき理由
呼吸器内科で取り扱う病気は幅広く、気管支喘息、気管支炎、肺炎、COPD、肺結核、肺がん、間質性肺炎など、多岐にわたります。さらに、肺自体には異常を認めない睡眠時無呼吸症候群や、禁煙のためのサポートなども行っています。
あたりまえのことですが、人間が生きるためには酸素を体に取り入れること、すなわち“呼吸”が必要不可欠です。そのため、呼吸器の疾患は、発見が遅れることで命に関わることも多く、専門医による適切な診断や治療がとても重要です。
その一方で、咳や痰、発熱など、日常よくある症状が多いのも呼吸器系疾患の特徴で、「このくらいなら大したことないだろう」「病院に行かなくても治るだろう」と自己判断で受診の足が遠のいてしまうという問題点もあります。
しかし、今回ご紹介したように、呼吸器系の症状には命に関わる重大な病気が潜んでいることもあります。咳や痰、発熱などが続く場合は、自分で判断をせず、ぜひ呼吸器内科専門医の診察を受けてください。
呼吸器内科のサポートによって、生活の質(QOL)を著しく向上させることができる可能性が大いにあります。
◆「咳が止まらない時、何科の病院に行けば良いか」について>>
4.おわりに
呼吸器内科で診ることができる基本的な症状や病気から、呼吸器内科が担っている役割まで幅広く紹介しました。
繰り返しになりますが、呼吸器の病気の初期症状は風邪と変わらないことが多いです。しかし、その背景には喘息や肺炎など、重篤な病気が潜んでいる可能性がありますので、「たかが咳や痰くらいで」と侮らず、早めに呼吸器内科を受診することをおすすめします。