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喉に違和感を感じたら、呼吸器内科へ

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2024年10月15日
喉が痛い

「喉の痛み」や「喉の違和感」は、多くの人が一度は経験したことのある症状ではないでしょうか。

喉の痛みや違和感という“なんとなく誰でもありそう”な症状の背景には、さまざまな疾患が潜んでいることがあります。

風邪やインフルエンザなどの症状として発現する喉の痛みだけではありません。アレルギー反応によって喉に痛みや違和感が出現することもあれば、ストレスなどの精神的なダメージを受けることで発症する病気も存在します。

このように「喉の違和感」にはさまざまな要因が考えられるため、早めに呼吸器内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。

喉に違和感が出る病気はたくさんあり、呼吸器内科と耳鼻咽喉科のどちらがよいということを患者さん自身が決めることは難しいため、あまり深く悩まずに、まずは受診することが大切です。

そこで今回は、喉の違和感の原因となる代表的な疾患を紹介しながら、呼吸器内科が専門的に診療を行う病気の中で、喉の違和感が出現しやすい喘息と気管支炎について解説していきます。

1.喉の違和感で考えられる原因と病気

喉の痛み

「喉の違和感」という症状は、具体的には次のようなものがあります。

・喉が痛い
・喉がイガイガする
・喉がザラザラする
・喉に何かがつかえている感じがする
・ものを飲み込んだ時に違和感を感じる

このように、「喉の違和感」といっても症状はそれぞれです。そのため、医師が明確な診断ができるように、受診時には具体的な症状を伝えていただくことが重要です。

喉のどのあたりが痛いのか、いつも痛いのか、朝起きた時にだけ痛むのか、ものを飲み込まなければ痛みは出ないのか、食事ができないほど痛いのかなど、喉が痛む状況や痛みの程度などをしっかりと伝えていただくことが、スムーズに問診を進めるためのポイントです。

◆「止まらない咳、喉の痛み…ほんとうに風邪?」>>

1−1.喉の違和感で考えられる病気

喉の違和感が出現する病気は非常に多くあります。

・風邪
・咽頭炎・扁桃炎・扁桃周囲炎
・扁桃周囲膿瘍
・胃食道逆流症
・ポリープ(腫瘤)
・咽喉頭異常感症
・気管支炎
・喘息

これらの病気は、主に呼吸器内科や耳鼻咽喉科の専門分野になります。

喉の違和感の他にも、咳や息切れ、呼吸の苦しさなどが出現している場合には、迷わず「呼吸器内科」を受診しましょう。

風邪やインフルエンザなどの病気であれば一般内科でも対応できますが、喉の違和感の原因が気管支炎や喘息などのアレルギー疾患である場合は、呼吸器内科を受診するのがおすすめです。

◆「呼吸器内科を受診すべき症状とは?」>>

とはいえ、自分自身で病気を判断することは難しいため、深く悩まずに、まずは受診して専門家の判断を仰ぐというのがよいでしょう。

【参考情報】『Sore throat – Diagnosis & treatment』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sore-throat/diagnosis-treatment/drc-20351640

2.検査について

聴診器
「喉の違和感」がある場合、病院では問診のほか、頸部を触って腫れやしこりがないかを触診したり、聴診器で胸の音を聞いたりします。また、喉を直接観察することで、炎症(腫れ)や傷などの状態を診ます。

さらに必要があれば、X(エックス)線検査やCT検査、MRI検査、頸部超音波検査(エコー)、内視鏡などによって、より詳しく状態を探っていきます。場合によっては血液検査を行うこともあります。

◆「レントゲン写真から、呼吸器内科でわかること」>>

2−1.呼吸機能検査

喉の違和感の原因が、「喉」ではなく、気管支などの別の場所に見つかった場合には、より詳細な検査を行うことになります。

呼吸器内科でできる専門的な検査として「呼吸機能検査」という検査方法があります。呼吸機能検査は喘息の診断や病態確認で行われる検査であり、気道がどのくらい狭くなっているかを調べることができる検査です。

喘息を患っている患者さんの気道は、健康な人よりも狭くなっており、空気が通りにくい状態になっています。気道の狭さは「スパイロメータ」という機器を使うことで、数値やグラフで表すことができます。

◆「呼吸器内科で行われる専門的な検査」について>>

喉の違和感だけではなく、呼吸の違和感や咳などの症状があるという方は、一度呼吸器内科にご相談ください。

【参考資料】『今日の治療指針2020』(医学書院)

3.治療法について


喉の違和感を緩和するためには、痛みを取り除くための「消炎鎮痛薬」や痰のからみを取り除く「去痰薬」などが使用されることがあります。

◆「去痰薬・ムコダインの特徴と効果、副作用」>>

しかし、喉の違和感そのものを治療するための薬は存在しないため、より早く違和感の原因を探り、その原因に対する治療を行うことが重要となります。

喘息などの呼吸器疾患が原因であった場合、呼吸器専門医による治療を受けることが、病状寛解への第一歩となります。

◆「喘息の症状・検査・治療の基本情報」>>

4.おわりに

「喉の違和感」という大まかな症状から考えられる病気やその検査方法などを紹介しました。

症状として喉の違和感が出現する病気は多く存在しますが、その原因が喉にあるとは限りません。喉の違和感の原因が気管支や肺などにある場合も考えられます。

喉に違和感があり、さらに咳や倦怠感、息切れや胸の痛みなどの症状がある場合には、お早めに呼吸器内科を受診することをおすすめします。

◆「呼吸器内科を横浜市でお探しなら」>>

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