喘息、アレルギー、疲労、メンタルと食事の関係について
気管支喘息や花粉症などのアレルギー症状をはじめ、
肥満、肌荒れ、疲労感、倦怠感、不眠、心の不調など……。
これらの症状はすべて、食生活が関係していることをご存知ですか?
みなさんが、体や心に不調を感じているのであれば、今の食生活を見直してみることをおすすめします。
食生活を変えていくことで、未来はきっとより良いものになるはずです。
この記事では、喘息でお悩みの方はもちろん、
健康になりたいすべての方に共通して摂っていただきたい栄養素についてお伝えします。
1.たんぱく質
たんぱく質は、生きる上で必要なエネルギー源となる、とても重要な栄養素です。
私たちが食事をするいちばん大きな意味は「エネルギーをつくること」です。
そして、身体をベストな状態で働かせるためには、他の栄養素と組み合わせる事が大切です。
たんぱく質は体内で非常に多くの役割を担っています。
1−1.たんぱく質の働き
たんぱく質には、以下のような働きがあります。
●免疫の中心となる
●皮膚、毛髪、爪をつくる
●骨・歯・筋肉をつくる
●内臓(肝臓・胃腸など)をつくる
●血管をつくる
●血液をつくる
●酵素をつくる
●ホルモンをつくる
そして、たんぱく質が不足すると、
●皮膚や髪に元気がなくなる
●骨・歯・筋肉が弱く、もろくなる
●内臓が衰え、弱くなる
●血管がもろくなる
●体力がなくなる
●高血圧を招く
●貧血になる
●消化吸収がしにくくなり、代謝が落ちる
のような症状が起こります。
ここで特に注目していただきたいのが、たんぱく質は「免疫の中心となる」ということです。
したがって、たんぱく質が不足すると免疫力が低下し、細菌やウイルスに抵抗できず、風邪を引きやすくなったり、感染症にかかりやすくなります。
気管支喘息の患者さんの中には、風邪や感染症をきっかけに咳がひどくなったり、コントロールが不安定になったりと、喘息症状の悪化を招くケースも少なくありません。
さらに、精神的・心理的なストレスなどの感情もたんぱく質が関係していて、たんぱく質の摂取が減ることで神経伝達物質の材料が足りなくなり、イライラしたり不安になったりします。
毎日の吸入薬やピークフロー値の測定などの自己管理に加えて、たんぱく質不足にならないよう注意しましょう。
【参考情報】
・『Protein』The Nutrition Source|Harvard T.H. Chan School of Public Health
https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/protein/#:~:text=your%20protein%20knowledge!-,What%20Is%20Protein%3F,carries%20oxygen%20in%20your%20blood.
・『タンパク質と脳の栄養~うつ病とタンパク摂取~』畜産の情報 2017年9月号|農畜産業振興機構
https://www.alic.go.jp/content/000141085.pdf
1−2.たんぱく質はどのくらい必要か
人間の体は約10万種類のたんぱく質から構成されており、その一部は、常に分解され(異化)、新しくつくり直されています(同化)。
この異化と同化が同じレベルで保たれていれば、健康でいることができます。
ではどのくらい摂取する必要があるのでしょうか?
大人の場合、健康を保つためには、1日当たり体重1kgにつき1~1.5g程度のたんぱく質が必要とされています。
例えば体重60㎏の人の場合は、1日あたり約60~90g必要ですが、食事からはそのうち5割~3割の20~30g程度摂取する必要があります。
しかしこれはあくまで目安の量であり、年齢やストレス、職種などによって変化します。
<たんぱく質必要量が増える方の例>
がん患者、甲状腺機能亢進症、ストレスが多い方、成長期の子ども、妊娠期・授乳期の女性、アスリート など
1−3.たんぱく質系の食品
たんぱく質系の食品は、大きく4種類に分けられます。
1.肉類
牛肉、鶏肉、豚肉 など
(例)豚ひれ肉100g・・・22.8g
2.魚介類
切り身、刺身、缶詰、しらす、いか、たこ、あさり、しじみ など
(例)マグロ刺身(赤身)100g・・・26.4g
3.卵
(例)ゆで卵2個(100g)・・・12.9g
4.大豆製品
豆腐、納豆、厚揚げ、おから、無調整豆乳 など
(例)納豆1パック(40g)・・・6.6g
【参考情報】日本食品標準成分表
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
このように、毎日の食事からさまざまなたんぱく質系食材を食べることが大事です。
肉や魚を選ぶ際には、赤身の部位を選ぶことで不足しがちな鉄分の強化にもつながるので、おすすめです。
2.脂質
油(脂質)は健康の敵だと思っていませんか?
実は脂質も身体にとってなくてはならない大切な栄養素で、むしろ積極的に摂らなければいけない種類の油もあります。
重要なのは、
・脂質が体内でどのように活用され、どう必要なのか?
・健康のためには、どのような油を摂ればいいのか?
・摂らない方がいい油には、どんなものがあるのか?
ということです。
2−1.脂質の役割
たんぱく質や糖質が1gあたり4kcalを産生するのに対し、脂質は1gあたり9kcalを産生するため、効率の良いエネルギー源となります。
その他、細胞膜やホルモン、胆汁酸、脂溶性ビタミンの材料、生理活性物質(生体に作用し,種々の体内での働きを調節する化学物質の総称)を合成するための原料にもなります。
また、脂質はエネルギー貯蔵体(中性脂肪)として存在する他、皮下に蓄えられているクッション材・保温材となり身体を保護するなど、その役割は重要であり多様です。
そのため、脂質が不足すると、エネルギー不足や体力の消耗を招くほか、体温低下などの原因になったり、うつ病の発症確率が高くなる、などの報告もあります。
とはいえ、脂質の過剰摂取は肥満の原因になりますし、血管の病気などにつながるおそれがありますので、注意が必要です。
2−2.脂質の種類
大切なのは、「種類」と「量」です。
脂質には、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けることが出来ます。
「不飽和脂肪酸」は、人の体内で合成できる「一価不飽和脂肪酸」と、合成できない「多価不飽和脂肪酸」の2つに分ける事ができます。
体内で合成できない「多価不飽和脂肪酸」は「必須脂肪酸」とも呼ばれており、「オメガ3系」と「オメガ6系」に分類することが出来ます。
【参考資料】サントリー健康情報レポート『脳に大切な栄養素「オメガ脂肪酸」のお話』
https://health.suntory.co.jp/omega/homeroom/
「オメガ3系」は、抗炎症作用や血管保護作用を持っており、炎症を抑制する働きを持ちます。
一方「オメガ6系」は、血管とその周りの組織との間で起こる水分や栄養分などの移動を促したり、炎症を促進したりします。
両方必要な油ではありますが、オメガ3とオメガ6のバランスが乱れることが、喘息や花粉症などのアレルギー系の炎症を促進していると考えられています。
日本人は普段から、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、菜種油、ごま油などのリノール酸を非常に多く摂取していますので、オメガ6系が過剰摂取傾向にあります。
体にいい事で話題になっている亜麻仁油やエゴマ油はオメガ3系であり、過剰となっているオメガ6系とのバランスをとるためにも積極的な摂取がすすめられています。
また、魚に多く含まれるDHAやEPAは脳に良い事で有名ですが、特にEPAは喘息をはじめとする慢性炎症に悩んでいる方には必須の成分です。
3.糖質
糖質の代表というと、「ごはん」「パン」「麺類」ということをご存知の方も多いと思います。
中でもごはんは日本人になじみ深く、なくてはならない食品になっていますが、最近の栄養学ではこのごはんを含む砂糖、パン、麺類などの「糖質」について、様々なことが明らかになってきています。
例えば、糖質と食物繊維をバランスよく食べることができれば、腸内環境を改善することができ、それにより喘息や花粉症といったアレルギー疾患や、糖尿病などの生活習慣病の改善が期待できます。
3−1.糖質の働き
糖質は、たんぱく質、脂質とともに「三大栄養素」のひとつとされ、身体にとって主要なエネルギー源になります。
糖質が胃腸で消化吸収されると、血流にのって全身の細胞に届けられ、身体を動かすための主要なエネルギー源として使われます。
そして、体内でブドウ糖に分解されたあと、飢餓やいざという時に備えて肝臓や筋肉に貯蔵されます。
3−2.炭水化物=糖質+食物繊維
糖質と食物繊維は全くの別物と思われている方もいらっしゃると思いますが、実は関連があります。
2003年に告示された健康増進法に基づく栄養表示基準では、「炭水化物」の定義は、「食品からたんぱく質や脂質、ミネラル成分、水分を除いたもの」とされています。
【参考資料】『栄養成分表示及び栄養強調表示とは』消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/assets/food_labeling_cms206_20220531_02.pdf
その炭水化物から、消化吸収できない成分である食物繊維を除いたものが「糖質」です。
ごはんやパン、芋類などの炭水化物には「糖質」だけでなく、「食物繊維」も含まれているということです。
3−2−1.食物繊維の働き
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があります。
水溶性の食物繊維を摂ると、腸内での発酵・分解が進み、腸内細菌の数が増え、活動が上がります。
一方、不溶性の食物繊維は「腸の掃除屋」です。腸にたまった不要物を絡め取りながら大便を作りつつ、腸の動きを活発にしてくれるので、腸をきれいな状態に保つことができます。
どちらもバランスよく摂る事で腸内環境が整いやすくなります。
3−2−2.食物繊維を含む食材
穀物(全粒粉、玄米、胚芽米)、野菜、果物、豆類、海藻類、きのこ類
結論としては、腸内環境を改善し、喘息をはじめとするアレルギー疾患の改善を期待するためには毎日の食事がいかに大切であるか、ということです。
つまり、食事の摂り方を改善することにより、喘息やアレルギー疾患のみならず、他の生活習慣病予防や、便秘・食後の眠気といった身体のちょっとした不調を改善に導くことができます。
また、肥満(特に女性の場合)は喘息悪化の要因となる可能性がありますので、やはり糖質の取り方を意識することが必要です。
◆「腸内環境を整えて免疫力をアップさせる食事の基礎知識」>>
4.ビタミン
皆さんは「ビタミン」と聞くとどのような印象を受けますか?
「美容に良い」「野菜や果物に多く含まれる」「不足しやすい栄養素」などのイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
実は、摂取されたビタミンは体を作る原料やエネルギーになるのではなく、他の栄養素の働きをサポートする役割があります。
「5大栄養素」のひとつとして、ビタミンは生体に不可欠な栄養素ですが、体内で合成されるものと合成できないものがあるため食事やサプリメントでの摂取が重要です。
三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)と比較するとビタミンの必要量はごく少量ですが、それぞれのビタミンには特有の欠乏症と過剰症があるので注意が必要です。
現代の食生活は糖質と脂質中心で、ビタミンは不足することが多いのが現状です。
4−1.ビタミンが不足するとどうなる?
実は、風邪を引きやすい、アレルギー症状がひどい、疲れが溜まりやすいなど多くの人が抱える健康障害の多くは、ビタミン不足が大いに関係しています。
例えば、ビタミンAが不足すると肌荒れや視力低下が起きやすくなり、ビタミンB群やビタミンCが不足すると疲れが溜まりやすくなるといった症状が挙げられます。
◆「ビタミンAの主な特徴」について>>
◆「ビタミンB群で、脳と体のエネルギー不足を解消」>>
◆「ビタミンCの主な特徴」について>>
その他にも、ビタミンが不足することで起こってしまう体への自覚症状はいくつかあります。
以下にビタミンの種類と分類と種類、不足することで起きる弊害をまとめましたので、ご紹介します。
このように、ビタミンの不足によって体調にさまざまな不調が表れます。
不足を補うことで、アレルギー疾患にとって良い効果をもたらしてくれるのです。
4−2.おすすめのビタミンは?
アレルギーには花粉症、喘息、食物アレルギーなど様々なものがあります。
例えば、ビタミンAやCは高い抗酸化力や免疫強化に関与しているため、アレルギー疾患の改善が期待できます。
また、ビタミンEにも抗酸化作用があり、リウマチ、アレルギー、がん、動脈硬化の発生を抑えると言われています。
なお、ビタミンCは喘息の方にいいと言われています。喘息は気道の炎症により発症するので、その炎症を抑えるために、ビタミンCやEを積極的に摂取することをおすすめします。
ビタミンCの例としては、みかんに多く含まれており、そのほかは葉野菜、大根などにも含まれています。ビタミンEは、緑黄色野菜、ナッツ類、黒豆、銀杏などにも含まれていて、喘息の改善効果もあるとされています。
これらのビタミンの共通点は「抗酸化作用」です。
活性酸素の働きを抑える作用を抗酸化作用といい、活性酸素は免疫細胞を破壊することにより免疫機能低下や老化・動脈硬化・がんなど様々な障害を引き起こします。
人間の体は酵素により活性酸素を抑える働きが備わっていますが、年齢を重ねるとともに体内で作られる酵素の量は減少していきます。
必要量には個人差があり、生活環境や食生活でも変動します。ビタミン不足の症状が出てしまう人の中には、酸化ストレスなどで活性酸素が発生しやすくなり、抗酸化ビタミンの必要量が多くなって足りなくなってしまう場合もあります。
酸化ストレスは、虚血やストレスなど病的なものや、紫外線や放射線・大気汚染・タバコ・薬剤・酸化された食べ物を摂ることなどで発生します。
また、過剰な運動も酸化ストレスを高めます。
しかしながら、食べ物から必要なビタミンを摂取することは難しいのが現状です。
生活習慣や食生活を改善するとともに、良質なサプリメントなどを利用することをおすすめします。
・自分に足りないビタミンは何だろう?
・サプリメントは具体的にどのようなものを摂ったらいいのだろう?
など、ご自身に不足しているビタミンなどに興味を持っていただいた方は、ぜひ当院の管理栄養士にご相談ください。
5.ミネラル
たんぱく質、脂質、糖質がそれぞれの機能を発揮するためには、ミネラルのサポートが欠かせません。
ミネラルは、身体を作ったり、酵素の働きを助けたりなどの重要な役割を持っています。上手く取り入れることでアレルギー疾患に強い身体をサポートしてくれます。
働きとしては、体内のミネラルバランスによって、体温や血圧、体液のpHが一定に保たれます。
健康を維持するためには欠乏を防ぐことが重要であり、それぞれのミネラルにはビタミンの活性化や栄養素の代謝、免疫機能、抗酸化作用のような働きが認められています。
このように、お互いに協力しながら吸収・利用・代謝・生理作用を発揮します。
ミネラルは体内で作る事ができないので、健康を維持するためには食材などから摂らなければなりません。
5−1.主要ミネラルの種類
体内に比較的多く存在し、1日に必要な摂取量が100mg以上になるものを主要ミネラルといいます。
5−1−1.カルシウムとマグネシウム
人体に最も多いミネラルが、カルシウムです。
カルシウムは骨の形成だけに必要なミネラルではありません。体内にあるカルシウムのうち、約1%は筋肉や神経、体液に存在しています。
またカルシウム、マグネシウムともに「筋肉の収縮を促す」「酵素を活性化させる」「心臓が正常に動くようにサポートする」など、生命活動維持に直結する働きをしています。
アレルギー体質の改善にはカルシウムが必須です。
血圧調整、血管壁の強化、神経を安定させて興奮や緊張を和らげる、酵素の働きを活性化させるなどメリットもたくさんあります。
また、カルシウムとマグネシウムは「ブラザーイオン」とも呼ばれ、カルシウムを吸収し、きちんと体内で働かせるためにはマグネシウムも欠かせません。
骨や歯を強化するだけでなく、体温や血圧の調節、補酵素として糖質、たんぱく質、脂質の代謝を助けるなどのメリットもあります。
カルシウム不足が長期にわたると、血中カルシウム不足を補うために骨や歯のカルシウムが溶け出し、骨粗しょう症になったり、余分なカルシウムが血管に付着して高血圧や動脈硬化など生活習慣病の原因となることもあります。
マグネシウムが不足すると筋肉にトラブルが起きて、筋肉痛や心筋梗塞になる場合もあります。
また、マグネシウムは腸の蝉動(ぜんどう)運動を促す作用も持つため排便力が高まります。
便通に自信のない方は、マグネシウム含有量の多い水(硬水)や塩を使うことですっきりとしたお通じが期待できます。
5−2.微量ミネラルの種類
体内に微量に存在し、1日に必要な摂取量が100mg未満のものを微量ミネラルといいます。
5−2−1.鉄
鉄は、体内で酸素と結合して全身に酸素を運ぶ役割があります。
ほかにも、
・エネルギーの産生
・成長促進
・造血にかかわる
・全身の機能を高める
など様々です。
鉄の吸収には胃の中の環境が重要ですので、ストレスや胃の不調、胃酸を抑える薬を服用している状態だと吸収率は低下してしまいます。
鉄不足になると、酸素が全身に行き渡らなくなることやさまざまな代謝がうまく回らなくなることで以下の症状が出てきます。
・動悸と頭痛
・肩こりや冷え
・疲れやすさ、だるさ
・朝起きられない
・風を引きやすい
・集中力や注意力の低下
これらの症状に当てはまる方は、「鉄欠乏」が原因にあるのかもしれません。
血液検査で問題なくても、鉄欠乏の症状に当てはまる方は、鉄を意識して摂ってみてください。
5−2−2.亜鉛
鉄の次に体内に2番目に多い微量ミネラルは亜鉛です。
亜鉛は細胞を新しく作る働きを活発にして骨や皮膚の発育を促します。
ほかにも、
・酵素反応の活性化(亜鉛が関わる酵素はなんと200以上)
・新陳代謝向上
・DNAやたんぱく質の合成
・免疫反応の合成
・味覚を正常に
・脱毛の予防
・糖代謝の正常化(インスリンの合成)
があります。
亜鉛が欠乏すると、成長期の子どもでは成長不良、成人では貧血、味覚障害、皮膚炎、精子減退などが起こります。
5−3.ミネラルの摂り方のポイント
食事から摂取するミネラルの過不足が長く続くと、体内の恒常性が保たれなくなり、各ミネラル特有の欠乏症や過剰症が現れてしまいます。
恒常性とは、温度や光の変化といった外からの刺激や運動、摂食といった内からの刺激があっても、体温などの体内環境を一定に保つことをいいます。恒常性が保たれるほど健康度が高いといえます。
不足しがちなミネラルが多い食品を把握し、積極的に摂りましょう。
5−3−1.カルシウムとマグネシウム
カルシウムを多く含む食品は、牛乳、乳製品、イワシ、小魚、干しエビ、海藻類、大豆製品、緑黄色野菜です。
【参考資料】日清オイリオHP
http://www.nisshin-oillio.com/sports/body/07.html
そして、マグネシウムを多く含む食品は、大豆、大豆製品、小豆、海藻、アーモンドです。
5−3−2.鉄
鉄を多く含む食品は、豚/鶏/牛レバー、赤身肉、赤貝、ひじき、海苔、大豆です。
鉄には、主に肉・魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品や卵・乳製品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。
ヘム鉄は体内への吸収率が高く、非ヘム鉄は吸収率が低いという違いがあります。
非ヘム鉄は良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。
いろいろな食品を組み合わせて鉄を効果的に吸収すること、つまりは栄養バランスのよい食事が何より大切なのです。
5−3−3.亜鉛
亜鉛は全ての細胞に含まれるので、肉・魚介・種実・穀類など多くの食品に含まれています。
特に多いものとしては、牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、納豆、えんどう豆、切干大根、アーモンド、落花生などです。
偏食や極端なダイエットを避け、一汁三菜のような食事を摂ると、亜鉛は十分量摂取できます。
また、お酒好きな方は適正量を守ることと、おつまみに亜鉛を多く含む肉や魚、大豆製品、ナッツ類を使用したものを選びましょう。
亜鉛を失いやすい抗菌剤や利尿剤を常用している場合は、医師との相談も必要です。
鉄を多く摂ると亜鉛の吸収が阻害され、亜鉛を多く摂ると銅の吸収を阻害するので、他のミネラルとのバランスも必要です。
6.喘息やアレルギーがある人が気をつけたい食べ物
ここまで、様々な栄養について解説しましたが、喘息やアレルギーのある人が気をつけたい食べ物があります。
それは、アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となるもの)が含まれるもので、キウイ、グレープフルーツ、メロンなどです。
これらを摂取することで喘息を悪化させることがあります。
また、辛いものや香辛料も、気管を刺激するため、喘息の方は注意が必要です。
摂取するとアレルギー症状が出るとわかっているものは控えるようにしましょう。
食事でアレルギー症状が出てしまい、何がアレルゲンかわからないという場合などは、アレルギーの原因を調べる血液検査などがありますので、医師に相談してみましょう。
7.おわりに
食事で摂った糖質、脂質、たんぱく質の栄養素を体の中でうまく働かせるには、ミネラルのサポートが大切であることがおわかりいただけましたでしょうか。
食事をしっかり摂っていても、ストレスや飲酒でミネラルが消費されたり、体の外に出してしまいますので、気になる方は医療用サプリメントを取り入れてみることも良い方法です。
まずは糖質の摂り過ぎに気をつけて、肉・魚などの動物性たんぱく質や、大豆などの植物性たんぱく質、海藻類を代表とするミネラル豊富な食材を日々のお食事に取り入れることから始めましょう。