「咳」と「頭痛」がある時に考えられる病気とは?
頭痛の原因はさまざまですが、「咳をすると頭が痛くなる」「咳と同時に頭痛もある」時には、もしかして深刻な病気では?と不安に思うかもしれません。
この記事では、咳と頭痛がある場合に考えられる病気について解説します。あまり心配いらない場合もあれば、病院を受診した方がいい場合もあるので、気になる方はぜひチェックしてください。
1.風邪
咳と頭痛があるときにまず考えられるのは、風邪にかかっている可能性です。
風邪のときの頭痛は、発熱とともに現れることが多いのですが、熱がなくても頭が痛くなることもあります。
なぜ風邪で頭が痛くなるのかは、はっきりわかっていませんが、白血球がウイルスと戦うことで、炎症物質が放出されることなどが原因ではないかと考えられています。
風邪は、特に治療をしなくても、安静にしていれば治ってしまうことがほとんどです。しかし、咳や頭痛が長引いていて、なかなか良くならない場合は、別の病気の可能性があるので病院を受診しましょう。
2.一次性咳漱性頭痛
一次性咳漱(がいそう)性頭痛とは、咳やくしゃみ、大笑いをしたときや、トイレでいきんだときなどに一時的に起きる頭痛です。後頭部に痛みが生じることが多く、咳をすればするほど頭痛がひどくなります。痛みは数分くらいで消えることがほとんどです。吐き気・めまい・睡眠の異常などの症状を伴うことも多いです。
多くは良性の頭痛で、あまり心配はいらないのですが、何度も繰り返して痛みが強いときにはほかに原因がある可能性があるため、医師に相談し内科や頭痛外来を受診して、痛み止めの薬を処方してもらいましょう。
【参考情報】『Primary Cough Headache』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/21071-primary-cough-headache
3.新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症にかかったときも、咳と頭痛が現れることがあります。風邪をひいたときと同じように、発熱とともに頭が痛くなることもあれば、熱がなくても頭痛が出ることもあります。
咳と頭痛に加え、発熱した時はコロナに感染した恐れがあるので、医療機関を受診するか、都道府県・市町村の相談窓口に連絡してください。
【参考情報】『新型コロナウイルスに関する相談・医療の情報や受診・相談センターの連絡先』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
医療機関を受診する際は、まずは電話で問い合わせてください。予約なしで直接病院に行くと、受診できないことがあります。
4.喘息
喘息は、気道(空気の通り道)の慢性的な炎症により、気道が狭くなり呼吸がしづらくなる病気です。主な症状として、咳・痰・呼吸困難・喘鳴(ぜんめい:ヒューヒュー、ゼイゼイという呼吸音)があります。
喘息になると、気圧の変化や季節の変わり目で体調を崩す人は多いです。特に、台風の接近などで気圧が下がってきたときに、頭痛や肩こり、イライラなど心身の不調に悩まされることがあります。
喘息の患者さんも、気象の影響を受けて咳が出ることがあり、それと同時に気圧の変化により頭痛が起こることもあります。
「朝方になると咳が出る」「夏から秋にかけて咳が出る」など、特定の時間や時期になると咳が出る人は、喘息の疑いがあります。
また、風邪をひいた後に2週間以上咳が続いている場合も、喘息をはじめとした呼吸器の病気にかかっている疑いがあるので、呼吸器内科を受診しましょう。
5.副鼻腔炎
副鼻腔炎は、俗に「ちくのう症」とも呼ばれ、鼻の周辺にある副鼻腔という空洞の箇所がウイルス、細菌、アレルギーなどによって炎症を起こす病気です。
主な症状はどろどろとした鼻水や鼻づまりですが、鼻水がのどに回り込むと咳が出ることがあります。また、炎症により頭や顔が痛くなることがあります。
【参考情報】『副鼻腔炎』日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=21#fukubiku
6.花粉症
花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が目や鼻などの粘膜に触れることでアレルギー症状が起きる病気です。
花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみですが、咳や頭痛が現れることもあります。
また、花粉症がひどくなり副鼻腔に炎症が起こることで、副鼻腔炎と同じように頭や顔が痛くなることがあります。
7.おわりに
「咳」と「頭痛」の二つの症状が現れたときに病院を受診する目安と理由は、以下の通りです。
・熱がある:コロナに感染した疑いがあるので、かかりつけ医か相談窓口に連絡
・2週間以上咳が続いている:喘息の疑いがあるので、呼吸器内科を受診
・鼻水や鼻づまりがひどい:副鼻腔炎症の疑いがあるので、耳鼻咽喉科を受診
以上に当てはまらなくても、咳がひどくて夜も眠れなかったり、頭痛の痛みが強くてつらいときは、病院を受診しましょう。