喘息治療に用いる薬「オノン」の特徴と効果、副作用
オノンは、喘息治療に使用される薬です。通常、成人にはカプセル、小児には顆粒状のドライシロップが処方されます。
この記事では、オノンの使い方や効果、副作用などについて解説します。初めて使う方も、続けて使っている方も、ぜひ最後までお読み下さい。
1.オノンとはどのような薬か
オノンは、「プランルカスト」を主成分とするロイコトリエン受容体拮抗薬です。喘息のほか、アレルギー性鼻炎や花粉症の治療に使われることもあります。
【参考情報】『Pranlukast: a review of its use in the management of asthma』National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12699401/
ロイコトリエンとは、体内にある化学物質である生理活性物質の一種です。このロイコトリエンが、ロイコトリエン受容体と呼ばれるたんぱく質と結合すると、気道の炎症が引き起こされます。
オノンは、ロイコトリエンをブロックすることで気道の炎症を防ぎ、アレルギー反応を抑制します。喘息の病態を、ゆっくりと緩和していくようなイメージの薬剤です。
オノンは、一般的な抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)とは作用の仕組みが異なるため、他の抗アレルギー薬と併用できる場合もあります。
また、抗アレルギー薬によくある眠気などの副作用が起こりにくいため、昼間の眠気を避けたい方には使用しやすい薬です。
2.オノンの使い方
以下、カプセルとドライシロップに分けて、オノンの服用方法を説明します。
2−1.カプセル
成人に処方される薬です。通常、1日2回・朝食後と夕食後にそれぞれ2カプセル(225mg)を、水かぬるま湯で飲みます。
高齢者など、薬剤の代謝が落ちていると考えられる患者さんには、1回1カプセルにすることもあります。
2−2.ドライシロップ
小児に処方される薬です。体重から投与量を決めるので、お子さんにより、1回に飲む量が違ってきます。通常、1日2回・朝食後と夕食後に決められた量を、コップ1杯程度の水に入れて飲みます。
甘味のある薬なので、お子さんでも飲みやすいかと思いますが、嫌がる場合はプリンや服薬用ゼリーに混ぜて服用してもいいでしょう。
【参考情報】『薬の上手な使い方・飲ませ方』母子衛生研究会
https://www.mcfh.or.jp/jouhou/kusuri/1_kona.html
3.オノンの副作用
オノンは副作用の少ない薬ではありますが、服用後に以下のような症状が出ることがあります。
・腹痛
・下痢
・眠気
・めまい
・かゆみ
めったにないことですが、アナフィラキシーや皮下出血などの副作用が出現する可能性もあるので、特にはじめて使用する際には注意しましょう。
4.使用上の注意点
オノンは、喘息の発作を抑える薬ではありません。発作が起こり、咳や息苦しさが強くなってきたときは、医師から処方された発作治療薬(リリーバー)を服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の方は、薬の使用の可否について主治医と相談して下さい。
【参考情報】『Asthma During Pregnancy』Asthma and Allergy Foundation of America
https://aafa.org/asthma/living-with-asthma/asthma-during-pregnancy/
5.オノンの薬価
オノンの薬価(2024年8月調べ)は、以下となります。
・オノンカプセル112.5mg 24.7円
・オノンドライシロップ10% 38.9円
オノンの代わりとなるジェネリック医薬品は「プランルカスト」です。
6.おわりに
オノンと同じような、ロイコトリエン受容体拮抗薬には、「シングレア」「キプレス」があります。
オノンは比較的副作用が少なく使用しやすい薬剤ですが、効果が感じられなかったり、自分には合わないと思ったときは、医師に相談してください。