睡眠時無呼吸症候群とストレスの関係とは?ストレスが原因で発症するのか
「何だか気分がすぐれず、イライラしてしまう」
「仕事や勉強に身が入らず、ミスが目立つ」
このような場合、実は睡眠時無呼吸症候群の影響で熟睡できず、ストレスが溜まっているのかもしれません。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群とストレスの関係や、ストレスが病気に与える影響を説明していきます。
1.睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に何度も無呼吸や低呼吸になる病気です。
代表的な症状として、「大きないびき」「夜間に目が覚める」「日中の眠気やだるさ」などがあげられます。
この病気になると、必要な酸素が全身に行きわたらなくなるため、高血圧や心不全など心血管疾患のリスクが高まります。
また、何度も眠りが妨げられ、深く眠ることができないため、日中も眠気に襲われます。そのため、居眠り運転による事故を起こした例も、多数報告されています。
慢性的に睡眠不足を感じている人や、日中にウトウトすることが多い人は、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみることが大切です。
2. 原因について
睡眠時無呼吸症候群の原因は、以下のようなものがあります。
・肥満
・あごが小さい
・アデノイド肥大
・呼吸中枢の異常 など
肥満により、首回りに脂肪がつくと、気道が圧迫されて狭くなり、睡眠中に呼吸がしにくくなります。その他、あごが小さいことやアデノイド肥大なども、気道が狭くなる原因となります。
また、呼吸中枢からの指令に異常があることで、発症することもあります。
【参考情報】『Central sleep apnea』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/central-sleep-apnea/symptoms-causes/syc-20352109#:~:text=Central%20sleep%20apnea%20is%20a,muscles%20that%20control%20your%20breathing.
3.ストレスが原因で発症するのか
ストレスそのものが、病気の原因になるとは言えません。しかし、ストレスを解消するための手段が、発症につながる恐れはあります。
例えば、ストレスが溜まって過食になれば、結果として肥満となり、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。
また、ストレスにより飲酒や喫煙が増えると、もともとあった軽い症状が悪化して、自覚できるようになることもあります。
ストレスと飲食は関係が深く、ストレスから逃れようと飲みすぎ・食べすぎに陥る人も少なくありません。
また、飲みすぎ・食べすぎを繰り返すことで、自己嫌悪によるストレスを感じてしまい、悪循環になるケースもあります。
【参考情報】『ストレスと食生活』e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-001.html
4.睡眠時無呼吸症候群とストレスの関係
睡眠は体や脳を休めるために欠かせないものです。しかし、病気の影響で熟睡できない日々が続くと疲労が蓄積し、ストレスを感じてしまう原因となるでしょう。
また、病気の影響で眠気や倦怠感が強いと、集中力が低下して、思うように仕事がはかどらなくなります。
ケアレスミスが増えたり、会議中に居眠りしてしまったり、ヒヤリハットが続くようなら、社内での評価が下がる恐れがありますし、交通事故や労災を起こしてしまうかもしれません。
このように、仕事や学習のパフォーマンスが低下することや、周囲からの目が厳しくなることで、ストレスが増大していく可能性があります。
【参考情報】
・『昼間の眠気』e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-002.html
・『睡眠時無呼吸症候群(SAS)と精神疾患』第103回日本精神神経学会総会
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1100020094.pdf
5.睡眠時無呼吸症候群かも?と思ったら
睡眠時無呼吸症候群を疑ったら、まずは病院を受診してみましょう。また、家族に疑わしい症状がある場合も、受診をすすめてみましょう。
問診や診察により疑いがあると判断されたら、自宅でできる簡易検査を行います。その結果、詳しく調べる必要がある場合は、入院での検査も行います。
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、CPAP(シーパップ)など睡眠中の呼吸をサポートする装置を用いて治療を行います。
治療により、ぐっすり眠れるようになると、病気の影響によるストレスが軽減されるようになります。
6.おわりに
ストレスそのものが、睡眠時無呼吸症候群の原因となるとは言えません。しかし、ストレスを解消するための行動から、病気が引き起こされる可能性はあります。
ストレスが溜まっている人で、以下の症状がある人は、睡眠時無呼吸症候群の検査ができる病院を受診してください。
・いびきが激しい
・夜中に何度も目が覚める
・寝汗がひどい
・朝起きた時に頭痛がする
・昼間に眠くなることが多い
夜間に無呼吸になることがあっても、自分では気づきにくいかもしれませんが、日中の眠気やストレスは、感じることができるはずです。
少しでも自分に当てはまると思う場合は、早めに行動しましょう。