脂質異常症は、血液検査を行った際、血液中の脂肪量を示すLDL(悪玉)コレステロール値が基準より高い、またはHDL(善玉)コレステロール値が基準より低い、中性脂肪の値が基準より高い、これらの中で一つ以上該当したときになる病気です。
「高脂血症」と呼ばれることもあります。
自覚症状が何もなく放置されがち風邪を引いたら熱が出る、といった自覚症状がなく、また高血圧や糖尿病ほど広く知られている病気ではないため、放置されがちです。
そのままにしておくと、血管の壁にコレステロールが蓄積され、動脈硬化(動脈の壁が厚くなってしなやかさを失い、血管が細くなったり、血栓ができたりする)を引き起こします。
動脈硬化を治療せずに放置し、悪化すると心臓に大きな負担がかかり、激しい息切れや胸の痛みを起こす狭心症や、冠動脈(心臓に酸素や栄養を運んでいる動脈)が血栓でつまり、心筋梗塞(心臓が栄養不足・酸素不足となる)を起こすこともあります。
また、脳の動脈硬化により血流が悪くなった結果、脳の一部が障害を受けて認知障害(痴呆症)を起こしたり、もろくなった血管が破裂して出血を起こす(脳出血)、血流が途絶えて脳梗塞を起こすなど、動脈硬化は恐ろしい病気の大きなリスクです。
初期症状はほとんどないので、血液検査で確認することが大切です。揚げ物やラーメンといった脂っこい食事やケーキなどの甘い物を好み、太り気味の方は、当院を始めとした医療機関で検査をしてみることをおすすめいたします。
自覚症状はほとんどないので、危機感を感じない方も多いですが、放置してしまうと動脈硬化が進んでしまいます。
食事の改善と生活に運動を取り入れ、これらの生活習慣の改善が難しい方は薬の治療も行います。
コレステロール値に異常があるまま放置してしまうと、肘関節や膝関節、まぶたなどで血管に脂質が詰まって黄色い塊ができることがあります。
これは「黄色腫」といい、脂質が異常に多いときにできる特有の症状です。
コレステロール値に異常がある状態が長期間に及ぶと、動脈硬化も進行し、体全体でいつ血管が詰まってもおかしくないので、脳梗塞や心筋梗塞のリスクがとても高く危険な状態です。
また、膵臓の機能が低下し、膵臓は急激に炎症を起こす急性膵炎を起こす可能性もあります。
高血圧や糖尿病を併せ持つケースも多く、合併している病気と併せて食事の管理と治療を進めます。
脂質異常症の治療は、そのものの治療というより、コレステロール値を正常にして、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞を防ぐことが目的です。
当院では動脈硬化の進行状態や肥満の程度など、その方の状態に合った治療法を提案いたします。
すべての治療の基本は食事療法です。脂質異常症の大きな原因は食習慣にあります。
それは糖尿病や高血圧になる原因とも共通しており、薬でコレステロール値を正常にしても、食生活が変わらなければ、いずれ高血圧や糖尿病も発症します。
それをまた薬で下げて…ということを続けていれば、薬が増え続け、身体の負担がどんどん大きくなってしまいます。
それを防ぐために、食事についてしっかり考え、食生活を正していくことは、治療においてとても重要なことです。
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横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニックでは、地域密着の姿勢を保ちながら専門性の高く信頼できる医療をモットーに私の専門分野である呼吸器内科の診療を中心として、内科・小児科の診療をスタッフ一同全力で行っています。皆様の健康の窓口として、どんなことでもお気軽にご相談ください。
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