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栄養相談 集団と個別対応の違いとは?

鈴木茉由(管理栄養士)

最終更新日 2024.6.5


人は食事をすることで栄養を取り、成長し活力を保ち続けます。

栄養の源になる物質を栄養素と呼び、食事でバランスよく栄養素を摂取することが大切です。

そのために「栄養相談」は重要な役割を果たしています。

1.栄養相談とは?


栄養相談は、正しい栄養の摂取方法や量について提案を行っていきます。
食生活を見つめ直し、改善へ導いていきます。

食生活に不安があったり、病気によって食事制限がある人、赤ちゃんの離乳食、子どもの食事が心配な親御さん、高齢者の食事についても栄養相談の対象になります。

何をどれくらい食べるといいのかという内容はもちろんの事、その人に合わせた料理の提案、食べ方のコツ、調理の工夫などもお伝えしています。

相談を受けれる場所は様々です。
管理栄養士がいる病院やクリニック、保健所や福祉センター、企業が開催するイベント、電話やオンラインなどがあります。

1-1 栄養相談は誰にすればいいの?

病院やクリニックの場合は、資格を持っている管理栄養士、栄養士が指導するかと思います。
無資格なのに管理栄養士や栄養士を名乗ることは違法ですが、栄養指導することは違法ではありません。

栄養相談は企業が開催するイベントなどもあり、気軽に参加できることはとてもいいことですが「管理栄養士(栄養士)が質問にお答えします」という文言がある栄養相談だと信頼性があると思います。

ここまで登場してきた管理栄養士と栄養士ですが、それぞれには資格があり、栄養士は主に健康な人に向けての栄養指導で、管理栄養士はそれに加え、傷病者、病気を患っている人など特別に配慮が必要な人に向けて栄養指導をする事ができます。

相談する場合は、どちらに相談する方が良いのか検討する事が必要です。

◆管理栄養士と栄養士の違い>>

栄養相談は大きく分けて2つあり、「個別栄養相談」と「集団栄養相談」になります。

当院は管理栄養士が個別栄養相談をおこなっております。
どのような内容で進めているのか、一例ではありますがご紹介したいと思います。

1-2 栄養指導の内容

食生活、ライフスタイルについてヒアリングをおこない、悩みや不安などをお伺いします。
問題や課題を見つける事を目的としており、普段の食事の内容や、間食の有無、運動習慣があるかなどを質問していきます。

次に食事療法の提案をします。
病気によっては控えて欲しい食材があり、食事に配慮しないといけない場合があります。

相談者の疾患に合わせて食事療法を提案し、なぜこのような食事療法が必要なのか、どう改善していくかなどを、説明します。
また、実践していくにあたり、献立や調理法を提案していきます。

最後に目標の設定を一緒に決めます。
相談者の実現したい目標を明確にし、できそうなことから取り組んでいただきます。
無理なく続けていくために、食べ方のコツ、調理の工夫もお伝えします。

改善に向かうには相談者の実践が重要です。
回を重ねることで、新たな問題点や改善点を見つけることができます。
根気よく継続的に栄養指導をおこなうことで、着実に目標に近づいていきます。

2.個別栄養相談


プライバシーを配慮できるような専用の栄養相談のブースや個室を使っておこなっていきます。
管理栄養士とマンツーマンでおこなうため、相談者一人ひとりに合わせた実践方法を提案することができます。

2-1 個別栄養相談のメリット

病状や他の人に知られたくないようなことがあっても、プライバシーに充分に配慮した環境で栄養相談をおこなうため、相談しやすいです。

相談者個々の生活スタイルや現状に合わせて指導ができ、目標も設定できるため意識の向上に繋がります。

2-2 個別栄養相談のデメリット

改善に向けて何度か通う必要があります。
生活スタイルによっては、栄養指導の時間に毎回予定を合わせることが難しい人もいます。

3.集団栄養相談


文字通りにはなってしまいますが、集団でおこなう栄養相談です。

糖尿病患者に対する「糖尿病教室」や、初産婦に対する「初産婦集団栄養指導」などがあります。

取り上げるテーマに該当する人が話を聞きに行くスタイルで開催されます。
取り上げる内容はもともと決まっているものが多く、テーマに該当する人の中で大多数の方が悩まれると想定される事柄を取り上げられる事が多いです。

最後に質疑応答の時間が設けられたり、終了後個別に質問する時間が取られていたりします。
講義によってはない場合もあります。

3-1 集団栄養相談のメリット

取り上げるテーマで気になることがあった場合、開催する教室を1回受講することで解決されることもあります。

講義中に気になることがあった場合、質問に行ける人であれば問題がすぐに解決できます。

同じ状況の人が周りにいるところで受講するので、悩みを共有できるということもメリットです。

企業がおこなっている集団栄養教室だと、病院や保健所ではなく店舗でおこなっていたりもするので、気軽に申し込むことができます。

3-2 集団栄養相談のデメリット

メリットで挙げたような、気になることがあった場合すぐに聞きに行けるようであれば問題ないですが、万が一質疑応答の時間がなかった場合や、勇気を出せずに質疑応答に行けなかった場合、周りに他の人がいることで話しづらかった場合、問題を解決できずに終わってしまうことがあります。

個別の指導や目標を立てることはできないため、確実な改善は見込めないこともあります。

4.自分に合った栄養相談とは?


栄養相談は病気を患っている人だけのものではありません。
健康な人でもどんなことに気をつけて食事を取ればいいのか、赤ちゃんだと困りがちな離乳食の進め方等、様々な相談がある事を説明してきました。

以前から栄養相談を受けてみたいと思っていた人や、今回このブログを読んでみて受けてみたいと思った方もいるかと思います。
自分に合った栄養相談はどちらかわかったでしょうか?

まずは話を聞いてみたい、同じ悩みを持っている人とも話してみたいと思っている人は集団栄養指導が適しています。

病気を患っていて自分に合った指導がしてほしい、周りの人には知られたくない、具体的に目標を立てて改善していきたい人は個別栄養相談が適していると思います。

5.終わりに

当院では管理栄養士による、個別栄養相談をおこなっています。

来院していただき栄養相談のブースでの相談か、オンラインでのWEB栄養相談があります。
どちらも個別での相談になるので、周りに相談内容を聞かれたくない人や、自分自身にあった指導を希望するのであれば、当院での栄養相談をおすすめします。

今回は説明できませんでしたが、分子栄養学や選択倫理心理学を融合した、当院独自の栄養相談です。

当院での栄養指導が気になった方は、ぜひ受けてみてください。

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