今回は当院の理事長である三島渉理事長にインタビューを行いました。
当院をどのような経緯で開院することになったのか、今働くスタッフへの想い、また分子栄養学を取り入れた栄養カウンセリングをどうして行っているのかなどをお伺いしました。
1.経歴について
乳児期から幼少期まで口唇口蓋裂の治療を受けていたこともあり、医師や医療は身近な存在でした。
痛みや不安を伴う治療の時に一番近くで支えてくれたのが両親、そして医療者の方たちでした。
優しく励ましてくれた医療者の方々に感謝の気持ちを持ち、気が付くと自分も人を助ける医師になりたいと思い医学の道を目指しました。
研修医時代は呼吸器内科だけでなく、循環器、糖尿病、消化器な内科全般について一通り学んだ後、呼吸器内科医になることを決意しました。
大学病院で呼吸器内科医として勤務をする中で、呼吸器内科は症状が軽いうちから取り組めば症状の改善は見込めるのですが、状態が悪くなってしまうと軽度の状態に戻すことが難しい病気がほとんどで、大学病院には重症化した人が来院されること多く、重症化してから治療をしてもあまり状況が変わらないことに悔しい思いや歯がゆい思いを何度も経験しました。
「自分がもっと早く診ることができていれば…」その気持ちが強くなり、地域の方が気軽に受診でき、症状が重くなる前から治療を開始し、患者様の状態が良くなることを目指したいと思い2007年、クリニックを開業しました。
クリニックでは病気のこと、治療のことを患者さんに分かりやすく伝えながら安心して通院してもらえるよう患者さんとの信頼関係を構築していきました。
喘息治療、禁煙治療の為の小冊子を書き、症状が軽くなっても治療を辞めずに継続することの大切さなどを伝え続け、患者さんに寄り添った診察を続けることで、今では県外からも受診して頂ける喘息患者の来院数が全国1位となり、自身の取り組みが認めていただいてることを実感する日々です。
2.分子栄養医学・選択理論心理学を取り入れたきっかけ
2007年にクリニックを開院して、目標としていた早期診断・早期治療を行うクリニックを実現出来たと思っていたところ今度は別の課題が見えてきました。
それは、ほぼ同じ症状で通われているAさん・Bさんに同じように薬を処方し、同じように治療をしているのに1週間ほどで症状が良くなってきたAさんに比べ、2ヶ月経っても症状が変わらないBさん。
このような患者さんが一定数おられ、原因を探るべく検査をやり直したりしましたが特に新しい原因が見つかるわけでもなく、どうしてなのか分からないままで納得できない日々を過ごしていました。
そんな時にある医学会の総会でたまたま立ち寄ったのが分子栄養医学についての情報を提供しているブースでした。
はじめは興味半分で話を聞いてみようという感覚だったのですが、実際に分子栄養医学を取り入れた診療を行っている先生の話を聞き、理論や成り立ちを知ると自分が今悩んでいることを解決出来るのではないかと思い始めました。
分子栄養医学とは個々に合わせた栄養を摂取すること。
人間の身体は細胞が集まって出来ているのですが、その細胞の状態によって症状で症状の治りやすさが変わります。
細胞の状態のいい人は身体に良い物を取っていて悪い人は悪い物を取っている、至ってシンプルなことです。
そして細胞の状態が良い人と悪い人では個々に必要な栄養素は全然違うのです。
そして一度自分のクリニックでもやってみようと治療薬が効きにくい患者様に実践してもらったところ、やはり症状が良くなり、また良くなるスピードも早くなったことを実感しました。
当院には元々生活習慣病に対する栄養指導をすることから管理栄養士が在職していたので、管理栄養士を中心に栄養カウンセリングを行うようになりました。
ただ難しいところが、どんなに良くなってほしくても長年の生活習慣を変えるのはとてもハードルが高いことです。
そのためそれを取り入れてもらうための技術が必要だと考えました。
そんな時に経営のセミナーに出向いた時に「選択理論心理学」を知りました。
選択理論心理学は、簡単に言うと自分の選択や行動は自分で選んでおり、例え良い情報を得たとしても実践するかしないかは本人の選択次第でしかないということです。
選択理論では人によって欲求に違いがあり、生存欲求が強い人は身体に悪いから止めようと思えることも、楽しさ第一に考える方だと身体に悪くてもいいと思うという、個々の欲求に対するそもそもの考え方によって選択するものが違う、というものです。
ただ、そのような中でも身体によいものを得ることで本人にとって良い生活ができることが分かればその方は身体に良い物を摂取したり悪い物を辞めてくれます。
例えば、タバコを止めて長生きしお孫さんとの時間を長く持てることが本人にとって幸せなことならそれが動機となり生活を変える選択肢を取ってくれます。
ただ単に体に良いものを食べてくださいではなく、その方にとって幸せな選択ができるようなカウンセリングが出来ればと考えた結果、選択理論は有効で、また分子栄養学との相性も良いのでカウンセリングに取り入れてます。
3.スタッフへの想い・求める人材について
当院には意欲的なスタッフが多くいます。スタッフ達には仕事を通して人生を良くしていく為の考え方を身に付けてほしいと思っています。
そして仕事以外でも人生が良くなる選択や考え方を身につけ、より豊かな人生を歩んで欲しいです。また挑戦したいことがあれば、どんどん挑戦をしていって欲しいと思っています。その環境が当院には整っています。
また求める人材としては、自身のクリニックで取り入れているやり方に共感してくれる人と一緒に働きたいと思います。
素直・前向き・勉強熱心であることが企業が伸びる秘訣だと思っています。
順調な時はこういったことが割と簡単なのですが、嫌なことがあった時に素直、前向き、勉強熱心で入れるかということが難しいのです。
当クリニックではそのようなマインドを常に持てるよう日々研修などを行いますので、現段階でこういったことが大切だと共感してくださる方を求めています。
また当院はスタッフの仲が良く職場の雰囲気がいいと言われるのですが、この雰囲気の良さも、素直で前向きで勉強熱心であることの大切さを常日頃話していることから、皆さんが納得してそれに取り組めているからこそ雰囲気が良いのかと考えられます。
4.趣味・休日の過ごし方・自身の健康維持方法
休日は趣味のテニスをしたり、読書をして過ごしています。
また自身のためになると感じたセミナーに参加することも趣味の一つです。
健康維持としては、クリニックで取り入れている分子栄養医学を自身でも実践しています。
私の場合はおかずを中心に糖質を控えたり、小麦は腸内環境に悪いのでパン、麺類は基本的には食べないようにしたり、お酒はも会食などの付き合いでは頂きますが一人の時は飲まないようにしています。
また運動、睡眠が大事なので、趣味のテニスをやって運動しています。睡眠時間はなるべく6~7時間を心がけています。
可能な限り分子栄養医学に近付けるような努力をしています。
5.おわりに
当院は様々な分野で成長が出来るクリニックです。
勉強をすることも多く大変な事もあるかもしれませんが、素直で前向き勉強熱心であることを忘れず働いて下さる方は成長することが出来ます。
これからも当クリニックは様々なことに挑戦したいと思っています。
クリニックの想いに共感して下さる方は是非一緒に働きましょう。