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コロナ禍を経て変化した管理栄養士の役割と重要性とは?

最終更新日 2024.9.30

1.コロナ禍の影響で変化したこと


2020年初頭から始まった新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックは私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。
しかしその反面で、新たな視点や機会をもたらしました。

1-1.健康意識の高まり

コロナ禍による感染予防のための外出自粛やリモートワークの普及により、運動不足や食生活の乱れが問題視されるようになりました。
しかし、これにより国民の健康への意識が高まり、感染リスクを減らすために外食を避け、自宅での食事が増えたことで、栄養バランスや免疫力を高める食事、生活習慣への関心も増えるようになりました。

これまで健康志向は一部の人々に限られていましたが、コロナを機に、国民全体が自分の健康に対して関心を持ち、より一層の注意を払うようになりました。

1-2.情報過多の時代における正しい情報源

また、SNSやインターネットを通じて、健康に関する情報が今まで以上に容易にアクセスできるようになりました。しかし、一方で、その情報の中には科学的根拠に乏しいものや誤った情報が氾濫していることも事実です。
私たちは膨大な情報の中から、自分に正しい知識を効率的に探し出し、正しく取り入れることへの重要性が改めて求められています。

このような状況下で、管理栄養士の仕事が評価され、その役割がますます重要視されるようになりました。

2.管理栄養士の役割と重要性


管理栄養士は個々の健康状態やライフスタイルに応じた栄養指導を行い、健康的な食生活をサポートする栄養のプロです。
これまで主に病院や福祉施設、学校などで活動していた管理栄養士が、コロナ禍以降はより広い分野での活動が期待されるようになりました。
管理栄養士は様々な場所で活躍しています。
それぞれの職場によって仕事内容や求められるスキルは異なりますが、共通しているのは人々の健康を食事を通してサポートするという点です。

2-1.管理栄養士の主な役割

・栄養指導:疾患や健康状態に合わせた食事指導を行い、生活習慣病予防や改善をサポートします。
・献立作成:病院、学校、福祉施設など、様々な場所で栄養バランスの取れた献立を作成します。
・食育:子供から大人まで、食に関する正しい知識や習慣を育みます。
・食品開発:食品メーカーなどで、健康に配慮した食品の開発に携わります。
・栄養調査・分析:国や地域の栄養状態を把握し、食生活改善のための政策に貢献します。

2-2.コロナ禍を経て新たな役割

@病院、医療機関:
病院や医療機関では、管理栄養士は単なる食事提供にとどまらず、患者さんの栄養状態を把握し、治療の一環として適切な栄養指導を行います。
特に、コロナ禍においては、重症化リスクが高い基礎疾患を抱える患者さんに対する栄養指導が重要視されました。免疫力を高めるための栄養指導や、感染後の回復をサポートするための栄養プランの提供が求められています。

@在宅勤務者へのサポート
コロナ禍を機に、在宅勤務が急速に広がり、長時間のデスクワークや食生活の乱れ、運動不足による健康リスクが問題視されるようになりました。
管理栄養士は、こうした状況に対応するため、在宅勤務者の食事内容の見直しや生活習慣の改善を提案し、健康的な生活を維持するためのサポートを行います。
また、ストレスが増加する中での睡眠不足、メンタルヘルスのケアにも栄養が関係しているため、心身のバランスを保つための食事指導も重要な役割と言えます。

@高齢者や基礎疾患を抱える人への支援
高齢者や基礎疾患を抱える人にとって、コロナ禍は特に注意深い生活を送ることが求められました。
感染予防はもちろんのこと、基礎疾患の悪化を防ぎ、健康を維持するためには、日常的な栄養管理が不可欠です。
管理栄養士は、これらの方々の栄養状態を改善、健康維持をサポートし、安心して暮らせる地域社会づくりにも貢献しています。

2–2.管理栄養士の重要性と課題

コロナ禍は、私たちの生活様式を大きく変え、医療現場にも多大な影響を与えました。この状況下で、管理栄養士は、従来の業務に加えて新たな課題に直面し、その役割がより一層重要性を増しています。

@健康寿命の延伸:近年、医療の進歩や生活習慣の改善などにより、私たちの平均寿命は伸び続けています。
しかし、いくら寿命が伸びていても健康でなければ意味がありません。
老後を健康に生きていく上で食生活の改善は、様々な疾患や生活習慣病の予防、改善に繋がり、健康寿命の延伸に貢献します。

@医療費の削減:生活習慣病による医療費の増加が社会問題になっています。
管理栄養士による栄養指導は、医療費削減にも繋がります。

@予防医学への貢献:感染予防のための栄養指導や、慢性疾患リスクを減らすための食事指導など、予防医学の分野で活躍する機会が増えています。

@食に関する情報の提供:SNSやブログなどを通して、正しい食に関する情報を発信し、人々の生活改善をサポートする役割もになっています。

@信頼性のある情報発信
インターネット上には多種多様な栄養情報が発信されていますが、その中には根拠が不明確な情報や、信頼性に欠けるものも少なくありません。
管理栄養士は、専門知識に基づいた正確な情報を発信、提供し、利用者が誤った情報に惑わされないようにサポートすることが求められます。
信頼性の高いコンテンツを提供することで、多くの人々の健康を守る役割を担っています。

@コロナ後の管理栄養士の未来
コロナが5類に移行した後も、人々の健康志向の高まりは続いています。
管理栄養士に対する需要はますます高まり、今後も活躍の場がより広がることが期待されます。
特に、病気になってから治療するのではなく、病気を予防するという考えが広がるにつれ、予防医療の重要性が認知されるようになりました。

管理栄養士は栄養指導を通して、地域社会における健康教育や、企業での従業員の健康管理サポートなど、様々な分野での活躍が期待されています。

3.オンライン栄養指導の普及


コロナ禍の影響で、対面による栄養指導が難しい状況が続く中、オンラインでの栄養指導が普及し、より多くの人々が手軽に栄養指導を受けることができるようになりました。

オンライン栄養指導でできることは
・食事、生活習慣のヒアリング
・食事内容、栄養に関するアドバイス
・生活習慣改善のアドバイス
・目標設定と次につながるサポート

など対面と同様のサポートを提供することが可能です。
管理栄養士は、スマートフォンやタブレット、パソコンなどを活用し、遠方に住む人々や外出が困難な人々にも自宅で気軽に栄養指導を提供できるようになりました。待ち時間もないため、忙しくて病院に通う時間が取れない方は時間を無駄にすることもありません。対面での相談が苦手な方でも緊張せずに相談できます。

このようにオンライン栄養指導は場所や時間に縛られずに、専門家から直接指導を受けることができる便利なサービスです。忙しい現代人にとって、健康維持や改善のために非常に有効な手段になりました。

4.まとめ

コロナ禍を経て、私たちの健康への意識は大きく変化しました。
健康志向が高まる現代社会において、管理栄養士は必要不可欠な存在であり続けるでしょう。
パンデミックがもたらす影響を生かし、管理栄養士はこれからも人々の健康を支えるために、知識を増やし、役割を進化させていくことが求められています。
今後も専門知識を生かした栄養指導が健康的な生活を送るための基盤としてますます重要になると思われます。

当院は管理栄養士が主役のクリニックです!
「かかりつけの管理栄養士」として予防医療に貢献し、患者様一人一人にあった健康づくり、QOL向上を目指しております。

あなたも管理栄養士として、最先端の栄養学を学びながら、人々の健康寿命延伸に貢献できる、やりがいのある仕事に挑戦してみませんか?

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