エントリー

当院が目指す予防医療とは?

最終更新日 2024.7.26


当院の創業者、三島渉は、呼吸器内科専門の医師として多くの患者様と向き合ってきました。

勤務医時代、大学病院に運ばれてくる患者さんはすでに重症化しており、できることが限られている悔しい状況に何度も遭遇してきました。
その経験から、もっと早く患者様を診ることを大切にしたいと感じ、ゲートキーパーとして、早期発見・早期治療を目指した呼吸器疾患専門クリニックを2007年に「上六ッ川内科クリニック」を開院しました。

当院では、病気だけでなく患者様のこれからの人生がより豊かになる土台作りをサポートできるように「分子栄養医学」による医療サービスを提供し、予防医療に努めています。

今回は当院が目指す予防医療をご紹介したいと思います。

1.予防医療とは


健康な人生を歩むためには、病気やけががないことが重要になり、そのために予防医療が必要になってきます。

予防医療とは病気になってから治療を受けるのではなく、病気にかからないように対策をすることを指します。

1-1.予防医療の3段階

予防医療には3段階に分けられるといわれています。

「健康を維持、増進」が一次予防です。
食習慣や運動習慣を改善する、禁煙に努めるなどの病気の発生を防ぐことが一次予防だといえます。
予防接種も病気の予防になるため、一次予防だといえます。

二次予防は病気の重症化を防ぐために、早期発見・早期治療です。検診や健康診断などで早期発見し、早期治療をおこなうことで重症化を防ぎます。

三次予防は、病気が発症してしまった場合、リハビリテーションや健康指導をおこなうことで、再発防止に努めます。

2.当院の予防医療の取り組み


当院での予防医療として、栄養カウンセリング、禁煙外来、健診が挙げられます。

その中でも、栄養カウンセリングについてご紹介したいと思います。
当院では管理栄養士が常勤しており、月に400名の栄養カウンセリングをおこなっています。

2-1.当院の栄養カウンセリング

当院の栄養カウンセリングは「分子栄養医学」「選択理論心理学」を用いて、病気の改善はもちろん、患者様の生活背景も考え体と心の両面の健康に寄り添った時間にしております。

一般的な栄養学であれば、「1日に〇〇を△△ほど摂取し、バランスのよい食事を心がけましょう」というカウンセリング内容になります。

それに加え、分子栄養医学を用いた当院の栄養カウンセリングだと、食品や栄養素が分子レベルでどのように作用するかを、さらに深堀りして学んでいるため、栄養素が体の細胞や組織に与える影響や、代謝経路などまで理解しカウンセリングします。

私たちは食事から栄養を吸収していますが、偏って栄養素を過剰に取りすぎてしまうと、過剰摂取によるトラブルが起きてしまいます。
反対に不足してしまうと、欠乏症になるなど、体に不調を引き起こします。

このような体の不調に対し、分子栄養医学に基づき適切な食習慣を提案します。
時に必要な栄養素をサプリメントで補えるように、ご紹介もしています。

そして、当院の栄養カウンセリングでは、選択理論心理学の考け方を大切にし〇〇が必要な栄養ですよをお伝えするだけではありません。

栄養カウンセリングを受診してくださる理由として、病気を改善したいお気持ちはあると思いますが、患者様一人一人に小さなことでも何のために健康でありたいのかというものがあると思います。
その気持ちをともに考え・大切にすることで、楽しく食生活と向き合い自らの栄養をご自身で整えられるようになるまで継続していけるように、パートナーとして向き合っております。

3.未来に向けた予防医療


日本では高齢化が進んでおり、健康寿命をいかに伸ばせるかも注目されています。予防医療をおこなうことは、日常生活を制限されずに過ごせる「健康寿命」を伸ばすこともできます。

「健康寿命」とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を意味します。
2019年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳でした。

一方で「平均寿命」というものもあり、これは0歳における平均余命を意味します。
2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳です。

性別問わず、健康寿命が平均寿命より約10年ほど短く、これは日常に制限が出てしまう健康ではない期間ということです。

医学は日々進歩しており平均寿命は伸びていったとしても、寝たきりや介護が必要な日常生活に制限がある期間が伸びるだけでは意味がありません。

この平均寿命と健康寿命の差を縮めていくためにも、予防医療が必要だといえます。

4.おこなわれている様々な予防医療


予防医療として、当院では管理栄養士による分子栄養医学を用いた栄養カウンセリングをおこなっていることを説明しましたが、予防医療と呼ばれるものは他にどのようなものがあるのでしょうか。

4-1.健康診断

生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の早期発見・早期治療を目的とします。

そして、これだけでなく、自分の体の現状を知ることで、どのようなことに気をつければいいかを知ることができ、病気を予防します。

自覚症状のない病気もあるため、見逃さないように定期的に受ける必要があります。

検査の種類は人により変わりますが、会社に勤める労働者は年に1回、健康診断を受けなければいけません。
項目は11個あります。

①既往歴、業務歴の調査
②自覚症状、他覚症状症状の有無
③身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査
④胸部エックス線検査
⑤血圧測定
⑥貧血検査
⑦肝機能検査
⑧血中脂質検査
⑨血糖検査
⑩尿検査
⑪心電図検査

これらを受ける必要があります。
病気の早期発見が目的にはなりますが、主に生活習慣病がわかるような、大まかな検査になります。
費用も企業負担がほとんどで、負担したとしても一部です。

これらの他にも胃の検査、大腸の検査、子宮頸がん検査など、希望によって追加し検査することも可能です。

検査する病院によって設備がないと受けれないこともあるので、確認をしましょう。

また、労働者でなくても健康診断を受け、自分の体の状態を知ることは重要です。
医療機関や市区町村で実施しているところもありますので、確認し年に一度受けるようにしましょう。

4-2.人間ドック

人間ドックと健康診断はどう違うのでしょうか。

どちらも健康状態を知り、病気を予防するという観点では目的は同じだといえますが、法的な義務があるかないかが大きな違いになります。

そして、健康診断との違いでいうと、個人の判断で人間ドックは受診するので、検査項目の多さも違ってきます。

健康診断の内容を調べることはもちろん、加えてCT、MRIや胃カメラなど、健康診断ではわからないがんを早期発見できる項目もあります。
一般的な健康診断は11項目程度ですが、人間ドックになると50項目以上です。

医療機関により、コースが設定されており、女性特有の疾患を調べるコースや全身のがんリスクを調べるコース、脳に特化したコースなどさまざま用意されています。

コースににもよりますが、全身を詳しく検査でき、健康診断では見つかりにくい病気の予防に務めることができます。
その分費用は高く、3~10万以上するといわれています。

4-3..生活習慣改善

主に健康診断で生活習慣病にかかっているかわかることができますが、そもそも生活習慣病は文字通り、生活習慣に深くかかわりがあるため、生活を改めることで予防することができます。

生活習慣病は、食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒などが深く関わり、これらが発症の要因となります。

一例にはなりますが、適度な運動をすること、禁煙をすること、お酒はほどほどにすること、食事は塩分を控えめにする、野菜を多く摂るなどがあります。

食事に関しては、当院のような管理栄養士の栄養カウンセリングを受けることで、どのような食習慣を過ごすと、生活習慣病を予防することができます。

5.終わりに

当院では重症になってから来院するのではなく、予防医療の考えをもって治療にあたっています。

なにも症状がない時に健康診断や、人間ドックなどで病院に行くことは、抵抗ある方や時間を作る方が難しい方もいると思います。
ですが、知らないうちに病気にかかり、自覚症状のなく進行してしまうことを、一番避けなければなりません。

自分の健康寿命を伸ばすためにも、予防医療を心がけていきましょう。

©︎ ファミリーメディカル All Rights Reserved.