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選択理論心理学とは? 日常生活での活用法

最終更新日 2024.8.30


選択理論心理学(Choice Theory)はアメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー発表した心理学です。

選択理論心理学は、すべての行動は自らの選択であると考えています。

行動を選択できるのは自分だけで、他人に行動を直接選択させることはできません。

当院の栄養指導では、選択理論心理学を用いています。

選択理論心理学を取り入れ、実生活にも応用することで、個人が幸福で満足の行く生活を送るための手助けにもなるので、選択理論心理学についてご紹介します。

1.選択理論心理学とは?


選択理論心理学の中心的な考えは、「人間のすべての行動は、個々の選択によって決定される」ということです。

「自らの行動は他人に選択されない、他人の行動を選択させることもできない」という考えもあります。

1-1.5つの基本的欲求

人間には「5つの基本的欲求」という基本概念があり、誰でも持っているもので、人によりその強弱と満たし方は異なってきます。

この5つの基本的欲求は、身体的な欲求である生存の欲求と、心理的な欲求である愛・所属の欲求、力の欲求、自由の欲求、楽しみの欲求の4つを合わせたものを指します。

・生存の欲求・・・飲食物、住居、睡眠などの医いていくために必要なすべてに対する欲求
・愛・所属の欲求・・・家族、友人、会社などに所属し、関係を築き人間関係を保ちたいという欲求
・力の欲求・・・自分が欲するものを自分の思う方法で手に入れたい、価値を認められたいという欲求
・自由の欲求・・・自分の考え、感情で自由に行動し、決断したいという欲求
・楽しみの欲求・・・義務感にとらわれることなく、主体的に喜んで行動したいと思う欲求

このように、選択理論心理学の考え方では自分の選択で行動が決まりますが、従来の心理学では人間の行動は外部からの刺激に対する反応だと考えられてきました。

そのため、問題が起きると怒ることや、罰を与えるなどの強い刺激を与えることで、相手を思い通りに行動させて解決しようという考えでした。

ですが、このような行動では人間関係は築くことはできず、壊れてしまいます。
このような従来の心理学を「外的コントロール心理学」と呼びます。

1-2.全行動

選択理論心理学の中には、行動を4つの要素に分けた「全行動」という考えがあります。

私たちがとる行動は常に全行動で、以下に紹介する4つの要素は常に一緒になって動くということです。

1. 行為・・・実際に行っている行動や動作。例としては、歩く、話す、書くなどがあります。
2. 思考・・・考えている内容や思考パターン。自己対話や計画、判断などが含まれます。
3. 感情・・・感じている感情や気分。喜び、悲しみ、怒り、不安などがこれにあたります。
4. 生理反応・・・身体的な反応や状態。例えば、心拍数の上昇、汗をかくなどがこれに該当します。

例えば、部下を叱る上司の全行動は、大声で怒る「行為」、なんでいつもそうなるのだろうという「思考」、怒りの「感情」、怒っていることによる血圧が上がっているという「生理反応」で成り立っています。

この考え方で重要な点は、私たちが自分自身で選択できたり、コントロールできるのは「行為」と「思考」で、自分自身で選択できなかったり、コントロールが難しいのは、「感情」と「生理反応」だという事です。

自分自身での多くの選択、コントロールを得るために、何をしたいのか、何が欲しいのか、理解しておくことが重要だとされています。
願望が明確でないと、目先の楽しさに、目を奪われ迷走してしまうからです。

2.外的コントロール心理学


外的コントロール心理学は先ほども紹介したように、「人間の行動は、外部からの刺激に反応して行動を起こす」という考えを指します。

選択理論心理学と相反する考え方だともいえます。

例えば、外的コントロール心理学だと、携帯が鳴ると反応し電話に出るという行動は、携帯が鳴るという外部からの刺激の反応だといえます。

外的刺激とは、様々な環境的要因でおこる自分の外部からの刺激の事を指します。

外的コントロール心理学の考え方の根本は、「他人の行動を外的刺激によりコントロールすることができる」というものになります。

3.日常生活での応用方法


先ほど紹介した、外的コントロール心理学の一例でご紹介します。

携帯が鳴ったときの例でいうと、選択理論心理学の考えだと、携帯が鳴り、知らない番号だった、出たくない相手だったということがあれば、電話に出ないという選択もできます。
自らの選択で、最善だと思った方への行動をすることができるのが、選択理論心理学です。

他にも、子どもが宿題をやりたがらないとすると、怒ったりせずに、学ぶことによって感じる達成感を伝えるために、どのように動機づけや支援するかを考えます。
そこには、良好な親子関係でいられるようにする事も含まれます。
そして、宿題をするための具体的な目標設定、努力を認めることで、心理的な欲求を満たす手助けをすることができます。

4.選択理論心理学の様々な活用例


選択理論心理学の活用は、特に教育現場やカウンセリングで効果を発揮しています。

例えば、学校では、生徒が自分で選択する力を育てる教育が進められています。
生徒に対して「何をすべきか」を教えるのではなく、「どう選択するか」を学ばせることで、より自主的で責任感のある行動が促されます。

また、カウンセリングの場面では、患者さんが「健康的な食事や運動を続けることが難しい」とすると、健康的な食事の提示、運動量を設定するのではなく、健康を維持することで得られる自己肯定感や生活の質を高めるために、どのような選択をするか患者さん主体で考えます。

長期的な健康を得るために、計画的な食事管理、運動をすることで心理的欲求の充足に繋がります。

5.おわりに

当院での栄養指導では、選択理論心理学を用いており、それに加え「分子栄養学」も取り入れています。
これらを融合させた当院独自の方法で栄養指導をおこなっています。

分子栄養学とは、身体を構成する細胞を栄養の取り方で元気にし、病気を予防、改善する栄養学とされています。
そして、選択理論心理学の考えも合わせて、患者さんのペースで無理のないように食生活をサポートしていくことが、当院の栄養指導です。

少しでも当院の栄養指導について気になられた方は、是非栄養指導を受けてみてください。

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