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管理栄養士がすすめる栄養素DHAとは?

最終更新日 2024.11.19


当院では患者様に合わせて、栄養カウンセリングを行っております。

今回は、この時期お勧めしている栄養素としてDHAについてご紹介させて頂きます。

1.DHAとは?

DHAとはどのような栄養素なのでしょうか?

成分や働きについてご紹介します。

1-1成分

DHAは、オメガ3系脂肪酸に分類される不飽和脂肪酸の一種です。魚油に多く含まれ、特に青魚に豊富に含まれています。

また、オメガ3脂肪酸のDHAは、特に脳の脂質の約20~30%を占めており、脳や神経系に多く存在しています。

2.DHAの体内における働き


DHAの役割について詳しくお話します。

体内で様々な役割を担っているのがDHAになります。

2-1 脳での役割

DHAは、脳の発達と機能維持に非常に重要な役割を果たします。

妊娠中、授乳中に摂取することで胎児や乳児の脳の発達が促進され、認知機能や視覚機能の向上が期待できるとされています。
また、高齢者においてもDHAの摂取が認知症の予防やアルツハイマー病の進行抑制に効果があるとされています。

2-2 視覚機能における役割

DHAは、目の網膜にも多く含まれており、視覚機能の維持にも大きな役割を果たします。

DHA不足は、視力低下や眼疾患のリスクを高めることがあるため、視覚機能を維持するためにもDHAを適切に摂取することが重要です。

また、近年では、長時間のデジタルデバイスの使用に伴う目の疲れが増加しており、DHAの摂取により軽減効果もあるので、積極的に摂取していきましょう。

2-3 心血管系の役割

DHAは、心血管系の健康にも非常に重要な役割を果たします。

特に、DHAは血液中の中性脂肪を低下させる働きがあり、これにより動脈硬化や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを低減させる効果が期待されています。

オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚を定期的に食べることで、心血管系の健康を維持することが可能です。

3.DHAの健康効果


DHAは様々な健康効果が期待されています。

どのような健康効果があるのでしょうか?

3-1 認知機能

DHAは脳内で重要な役割を果たしており、記憶力や学習能力を向上させる効果があります。

特に、高齢者においてはDHAの摂取が認知症の予防に繋がるとされています。

複数の研究によると、DHAの摂取量が多い人は、認知症やアルツハイマー病のリスクが低下することが示されています。

3-2 心の健康

DHAは脳内の神経伝達物質のバランスを整える働きがあり、うつ病や精神疾患のリスク軽減にも効果があるとされています。

特に、DHAとEPAを含むオメガ3脂肪酸が、うつ病の症状を軽減する助けとなることが多いと確認されています。

DHAは神経細胞の機能を正常化し、ストレスに対する耐性を高める効果があるため、精神的な健康維持にも役立つ大切な栄養素です。

3-3 妊婦や乳幼児に対して

妊娠中や授乳期にDHAを十分に摂取することは、胎児や乳児の脳と視覚の発達にとって非常に重要です。

DHAは胎児の脳細胞や視神経の形成に必要な成分であり、妊婦が適切に摂取することで、子供の認知能力や視覚機能の向上が期待できます。

そのため、妊娠中の方へDHAのサプリメントをおすすめすることが多いです。

3-4 炎症の抑制作用

DHAは体内で抗炎症作用を発揮します。

これにより、関節炎などの慢性炎症を軽減する効果が期待されており、特にリウマチ性関節炎などの炎症性疾患を抱える人々にとって、DHAは有用な栄養素です。

DHAの摂取によって、痛みや腫れなどの炎症反応が和らぐ効果も期待されています

4.DHAを効果的に摂取する方法


DHAを効果的に摂取するにはどうすればよいのでしょうか?

4-1 食事から摂取!DHAを多く含む食品

DHAは魚介類に多く含まれています。

その中でも特に『サバ・イワシ・サケ・マグロ』は、意識して取り入れていきましょう。

焼き魚、煮魚など・・・調理工程が多いことが大変な方には『缶詰』や『お刺身』がおすすめです!

外食が多い方も料理を選ぶ際に意識して取り入れることで、負担なく効率よくDHAを摂取できます。

4-2 サプリメント

魚を日常的に食べるのが難しい場合や、さらにDHAの摂取量を増やしたい場合には、DHAサプリメントを活用するのも一つの方法です。

DHAサプリメントは、魚由来のオイルを濃縮したカプセルなどで摂取でき、手軽にDHAを補給できますが、酸化した状態のもの等数多くの商品がある為、医療機関でも取り扱いのあるものを選ぶことをお勧めします。

妊婦向けや高齢者向けのDHAサプリメントもあり、ライフステージに応じて適切なものを選ぶことが大切です。

4-3 DHA摂取における注意事項

DHAは健康に多くのメリットをもたらす一方で、摂取量にも注意が必要です。

分子栄養学においては、DHAの摂取量は、健康のためには1日あたり1g~1.5gが理想的とされています。

特にサプリメントを利用する場合、過剰摂取は下痢や吐き気などの消化器系の問題を引き起こすことがあります。

サプリメントの質(状態)も重要です。

酸化した状態のサプリメントの場合、反対に体の炎症が進んでしまいます。

また、抗凝血作用があるため、血液をサラサラにする薬を服用している場合は、医師に相談することが重要です。

5.おわりに

当院の栄養相談の中でもこの時期よくお話させて頂く栄養素の一つ、DHAについてお話させて頂きました。

また、自律神経を整える、マグネシウム・ビタミンB・DHAをセットでおすすめしています。

私たちの健康な身体作りに欠かせない栄養素ですので意識して積極的に摂取していきましょう。

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