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クリニック看護師として働くメリット・デメリット

最終更新日 2025.2.10


様々な事情により病院からクリニックに転職を検討中の看護師の方も多いのではないでしょうか。

クリニックに転職することでワークライフバランスが整ったり、プライベートを重視した働き方ができたりするなどメリットがあります。
一方で病院看護師よりも給料が低い傾向にあるなどのデメリットについても考えて転職活動に臨む必要があります。

この記事では、クリニックに転職する際に考えられるメリット・デメリットについて紹介します。
クリニック看護師の向き不向きについても触れているので、転職検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

1.クリニック看護師の特徴と病棟看護師との違い


クリニック看護師と病棟看護師の「仕事内容」「勤務形態」「給料」の違いについては、以下をご覧ください。

<クリニック看護師>
・仕事内容:外来診療の補助、事務業務(があることもある)
・勤務形態:規則的
・平均年収:約391万円

<病棟看護師>
・仕事内容:入院患者の治療補助、日常生活援助
・勤務形態:不規則
・平均年収:約507万円

詳しい内容については、次章以降で解説します。

2.仕事内容


クリニックでは診察前後で医師の指示した検査や処置を行います。具体的な検査は、以下のとおりです。

・採血
・心電図
・レントゲン撮影介助
・医師の補助など

病棟看護師なら介助することはない検査スキルも、クリニック看護師は求められます。
そのため、検査方法や実施中の観察項目・注意点などの幅広い知識が必要です。

また職員の数が少ないクリニックでは、看護業務に加えて事務作業などを任されることもあり、看護業務と事務作業を効率よく進められる方に向いている職場と言えます。

クリニック看護師として働くメリット・デメリットは、以下です。

<メリット>
・クリニックの診療科の知識・スキルを極められる
・長期通院している患者との信頼関係を築ける
・事務作業が得意な方は強みになる
・規則的な勤務であるためワークライフバランスが整えやすい
・職場内での異動が少ない

<デメリット>
・一般病院に比べて給料の水準が低い
・1人当たりの業務量が多い
・業務範囲が広い
・スタッフの入れ替わりが少ないため、人間関係に悩まされると職場の居心地が悪くなる

また、クリニック看護師は、そのクリニックの診療科に特化した知識やスキルを極められます。
興味のある診療科なら、その道のスペシャリストを目指すこともできるでしょう。
ただし、総合病院のような高度医療ではなく、市民の生活に根付いた医療・健康管理がメインである点に注意が必要です。

また、規則的な勤務であるため、ワークライフバランスが整えやすいメリットもあります。
子育て世代や夜勤が辛い方にもオススメの職場と言えます。

一方で院内の異動や職員の出入りが少ないため、一度人間関係で悩まされると居心地の悪い職場になる可能性があるでしょう。
そのため、転職に失敗したくない方は、事前に職場見学を申し込んだり、口コミサイトや実際に働いた方から話を聞いたりしておくことをオススメします。

3.勤務形態


24時間体制で看護業務を行う病棟とは違い、クリニックが開いているのは日勤帯のみです。
固定休やシフト制で勤務表が組みやすいため、保育園の送り迎えや親の介護など私生活と並行して看護師を続けやすいメリットがあります。

また、外来業務であるため看護記録が少なく、委員会や研修会がない職場も多いため、残業が発生しにくいのも嬉しい点です。
ただし、クリニックでは営業時間内に受付を済ませた人を診察するため、日によっては大幅に残業が発生する可能性もあることを知っておきましょう。

対策としては、転職面接の際に勤務時間(保育園の迎えの時間)などを相談しておくことです。
勤務開始後に相談すると、シフトや業務割に支障が出かねないので注意しましょう。

4.給料


クリニック看護師の給料は、病棟看護師に比べて水準が低い傾向にあります。

厚生労働省の第22回医療経済実態調の報告(令和元年実施)によると、平均年収の違いは以下のとおりです。

<平均給料(年額)>
クリニック看護師:3,242,510円
   病棟看護師:4,055,754円

<賞与>
クリニック看護師:667,987円
   病棟看護師:1,016,301円

<平均年収>
クリニック看護師:3,910,497円
   病棟看護師:5,072,054円

クリニック看護師と病棟看護師の平均年収を比較すると、年間で「約110万円」の差があります。
その理由は、以下のとおりです。

・夜勤手当がない
・休日・残業・通勤手当が少ない
・一般病院に比べて福利厚生が少ない

たとえば、一般病院の夜勤手当は1回数千円(病院による)と少額ですが、年間の積み重ねで数十万円の差を生み出します。

また、クリニックの給料は資格(正・准看護師など)や学歴(大卒・専門卒など)、役職(師長、スタッフ)などで決まることが多いため、病棟看護師のように年齢とともに給料が上がっていくとは限りません。
そのため、給料面を重視したい方には向いていない職場と言えます。

一方で、美容整形外科や皮膚科は自費診療の治療が多いため、給料が高い傾向にあります。
クリニックによってはインセンティブ制度(歩合制)を設けている場合もあり、努力をした分が直接給料に反映されるため、モチベーションにつながるでしょう。

この他にも病棟看護師以外の仕事で給料面を重視したいなら、訪問看護師もオススメです。
訪問看護師の給料は「約435万円」です。
給料の水準が高い理由は、オンコール手当や管理者になると年収が「約50〜100万円」上がるからです。

ただし、年齢や経験でそこまで給料に差がないため、前職までの経歴が給料に反映されにくいデメリットもあります。
転職前に基本給や月の平均オンコール回数などについて詳しく聞き、およその給料をイメージしておく方と安心です。

【参考情報】
『第22回医療経済実態調の報告(令和元年実施)』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/22_houkoku_iryoukikan.pdf

5.おわりに

以上、クリニック看護師と病棟看護師の仕事内容や勤務形態、給料の特徴や違いについて紹介しました。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、転職する上で重視したいポイントを中心に転職先を選ぶようにしましょう。

この記事がクリニック看護師に転職するための参考になれば幸いです。

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